浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「垂訓」

2023-09-22 00:06:48 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より


            第一章 或る愚か者の生涯

         ◆織物業における成功と商売の極意◆


というのも、考えられないような幸運なことが次々と続いたからです。
神様のお助けがあって、私の商売もいろいろな難事にもかかわらず、
成功に導かれたのでしょう。
日本がまださかんに新幹線や高速道路の工事をやっていた頃に、
建設現場の作業員の寝具を貸し出す
地方のリース会社と御縁がありました。
布団、毛布、枕の一式を一日いくらで貸す会社ですが、
そこの営業部長が私の友達を通じて来てくれまして、
商売の話を持ちかけてくれました。
当時は手形が常識でしたが、そこは現金で
取引きしてくれるというのです。
夢のような話でした。

手形は短くて三カ月、
お産手形といって長いものなら十月十日です。
私のところでは毛布の製造をしていたので、それを売るわけです。
手形商売とは百万円なら百万円の品物
を売ると引き換えに手形をもらいます。
そこに期日が書いてあって、期日が来たら現金が入ってきます。
でも、資金繰りのことがありますから、
金利を支払って手形を割ってもらうことになります。

つまり、銀行からお金を借りて先に代金を
受け取るということになります。
四分の金利でしたから、百万円から四万円が差し引かれ、
こちらに入るのは九十六万円になります。
ところが、現金取引をしてもらえば、
それだけの金利を取られないですむわけです。
「こちらでは手形取引が常識になっていますから、
私は買い上げていただいた全金額の
二分を部長さんに感謝の気持ちとして送らせていただきます」



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