浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「垂訓」

2023-09-05 00:14:37 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓
 
 恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より


             第一章 或る愚か者の生涯

           ◆葡萄一粒で故郷を捨てた少年時代◆

先の続き・・・

さて、大和川と石川の支流にはさまれて広々とした平地がありました。
大和川と平行した堤防の内側に大きくUの字形をした農道が
小さな堤防のようにして走っています。
大和川から小さな堤防の農道までの間はよその葡萄畑でした。
農道を隔てて反対側に私の家の田圃がありました。

堤防を降りて、自分の家の稲を見て回ってから
再び堤防へ上がってほっとした時、
反対側の畑の柵が目に入りました。
堤防の上に上がった私は、その畑の柵に
下がったたわわに実を実らせている葡萄を見て、
思わずつまんでみたくなりました。
そこで、そこに降りてこっそり一粒だけ失敬いたしました。


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