恩師の御著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第一章 或る愚か者の生涯
◆催眠術をかけて遊ぶ◆
私は昭和六年に大阪と奈良の県境に位置する
南河内郡(現在は柏原市)国分町に生まれました。
大和川の上流で河内嵐山と呼ぶくらい風光明媚なところであり、
頼山陽ゆかりの歴史ある土地柄でもあります。
農家に生まれ、男の兄弟が四人、女の姉妹が四人おりました。
十一歳上の長姉、十歳上の長兄、それから二人の姉をはさみ、
私は五番目、その下には弟二人、いちばん末が妹でした。
昔は、子供がよちよち歩きができるようになるまで成長すると、
どこへ行くかわからず危ないので、
倒れないように底の四方に足がついている
木製の箱に子供は入れられていました。
箱の外には小さなおやつ入れのやはり箱状の入れ物が
付けられています。
この子守り箱の中に私も誕生一年前後には
入れられて遊ばされていました。