go の let's goシニア

リタイヤ・・何でもヤリタイヤ
登山、渓流釣りを卒業して四季の花を愛でています

安宅の関

2013年02月16日 | インポート
北陸はこのところ不順な天候が続いていました、14日は久しぶりに青空がのぞき、最高温度も9度とこの季節としては動きやすい天候でした。
最近はショッピング以外はあまり外出をする機会がなかったのですがお天気が良くて少し温かくなるとどこかへドライブに出掛けたくなりました。
何処へ行くか決まらないままで、最近は北の方角へ出掛ける事が多かったので今日は南に向かって一時間以内で行ける場所でしばらく行っていない安宅の関に行く事にしました。
家を午前10時に出て、海岸線の旧道をゆっくり南下しておおよそ45分間で安宅の関に着きました。
安宅の関の駐車場は道路に沿っていて駐車がしやすくなっています、そのために駐車している車はほとんどが商用車です、この場所が格好の小休止の場所になっているようです。
画像




駐車場の脇から関跡に向かう散策路が有ります、弁慶が大きな岩を持ち上げた石像が有ります。
画像




画像




松林の中の道をたどって関跡に向かいます、歌舞伎の勧進帳の舞台の背景には立派な松が描かれいていますがこの辺は海辺に近く松の林が続いています。
画像




画像



まず目に着くのが歌舞伎の勧進帳の場面の銅像です、正面に武蔵坊弁慶、右側に富樫左衛門泰家、左側に傘を冠って下を向いて顔を隠している九朗判官源義経の像です。
そばに銅像の由来が書いてありました、弁慶は七代目松本幸四郎、富樫が二代目市川左団次をモデルに作られたようです。
画像




画像




松林の中に関所跡の石碑が立っていました。
画像




関の宮、右側の宮が、九朗半官 源 義経公
      左側の宮が、関守    富樫左衛門泰家公を祀っています。
画像




関跡の松林の先は海岸になっていて日本海が広がっています、義経一行は海岸線を通ってこの関に辿りついたのでしょうか。
画像




画像




浜辺からの関の門、脇に歌碑が有りました。
画像



松たてる安宅の砂丘のその中に
             清きは文治三年の関    与謝野晶子
画像




勧進帳ものがたり館を見学しました、他に見学客がいませんでした、歌舞伎「勧進帳」シアターも見てきました。
歌舞伎の勧進帳の弁慶、富樫、義経の衣装が展示されていました。
画像



画像




画像




画像




画像




画像




勧進帳の文楽人形も、文楽人形は初めて実物を見ましたが想像以上の大きさに驚きました。
画像



安宅の関に面した小高い所に安宅住吉神社が有ります、天応2年の創建の古寺で、創建当時は琴佩山に鎮座していましたが二度の遷宮ののちに天保4年(1647)に現在の二堂山に鎮座しました。
道路から長い参道の先に社が見えます、神社の敷地内の安宅の関が有るので義経師従が厳しい関所を突破した事にちなんで「難関突破」の御守りで知られ人気が有ります。
画像




画像




境内の稲荷神社の前に勧進帳を読みあげる弁慶の像が有ります。
画像




亀の形をした神亀石、亀の形をした自然石で甲羅を撫ぜると長寿になると伝えられています。
写真を撮っていて撫ぜるのを忘れました、忘れるようでは長寿はむりかも。
画像



参道に有る弁慶の逆植えの松、安宅の関を無事に通りぬけた弁慶が無事を喜んで松を逆さに植えた事から呼ばれているようです。
画像




※安宅の関伝承(安宅住吉神社のHPから)

兄の源頼朝に謀反を疑われて追われる義経が奥州平泉へと落ちのびる途中の文治3年(1187)、山伏姿で  安宅の関にさしかかる。関を越えようとしたその時に、関守富樫泰家に見とがめられ、詮議の問答が始まる。
勧進帳とは寺院建立などの資金集めにその趣旨をしたためたもの。
弁慶は白紙の勧進帳を読みあげて、強力(ごうりき)に身をやつした義経をかばう。しかし顔が似ているという関守の前で義経に似た貴様が憎しと主人を打ちすえる。その忠義の心に感じた富樫は義経と知りながらも一行を解放し、関を通してしまう。




歌舞伎十八番の勧進帳で弁慶役を演じて来られた市川團十郎さんが二月の三日に惜しまれながら享年66歳の生涯を閉じました、歌舞伎に一生を捧げ、新装成った新歌舞伎座の将来に誰よりも情熱を燃やしていただけに誠に残念です。
二月二十七日に葬儀が営まれる予定になっています、ここに心よりご冥福をお祈り申し上げます。

あり日の市川團十郎さんを偲んでパリのオペラ座歌舞伎公演で演じた勧進帳をご覧ください。
弁慶を市川團十郎、富樫を市川海老蔵、義経を市川亀次郎が演じています、物語のストーリーが字幕で表示されるのでわかりやすくなっています。









安宅の関を訪ねてこの地に伝わる物語に歴史のロマンを感じました、今から826年前に有った出来事を文化として歌舞伎や文楽などで現在に語り継がれていることは歴史を知る上で意義深いものが有ると思いました。

御訪問ありがとうございます。