4日(日)に燕岳登山に行って来ました。
今回の登山は7月の中旬から登山日和の天候の日がなく延び延びになっていました、毎日山の気象情報を見ては機をうかがっていましたら先週末から今週の初めにかけて好天が続く予報でしたので4日に登る事にしました。
1995年に常念岳、大天井岳(オテンショダケ)、蝶ヶ岳の縦走コースの途中で一泊してから燕岳の美しさの虜になって毎年登っています、今年で19回目の登山になります、今回の登山はいつも一緒に登っていた家内が体調に自信がないということで単独での登山となりました。
3日(土)の夕方自宅を発って、夜は安曇野の登山者専用の駐車場で仮眠して朝一番の5時発中房登山口行きのバスに乗りました。
6時前に登山口に着いた時には直接自家用車で来られた人や近くの有明荘や中房温泉で宿泊した登山者で一杯でした、ここ中房登山口は標高1462mです、これから登る燕岳は2763mですから約1300mの高低差です。
空は天気予報に反して曇り空です、トイレを済ませて登山届を提出して6時20分に登り始めました。
第1ベンチ(1670m)に6時50分到着しました、登山口から第1ベンチまでのコースは傾斜がきつく歩き始めという事もあって苦しい場所です。
家で作ってきたアミノバイタル・クエン酸の水分補給をして、塩アメをなめて7時15分の第1ベンチを出発しました。
第二ベンチには7時30分到着です、たいへん混み合っていてベンチは満員で休む場所もないようです、山ガールと中高年の登山者が多い。
大学生や高校生の登山グループはテント泊まりで縦走するので大きなザックを担いで登って行きます。
10分ほど休んで7時40分に第二ベンチを出発しました。
第3ベンチ、富士見ベンチを経て合戦小屋には9時50分の到着しました。
途中の富士見ベンチで小雨が降ってきたので合羽を着てザックカバーも付けましたがここに着くころには雨もやんで小康状態になっていました。
合戦小屋は海抜2380mです、ここも大変な混雑です、中房登山口の少し下からここまでは荷物揚げ用の鉄索がひかれていて物資やここの名物になっているスイカを下から揚げています。
冷やしたスイカは人気があるようです、私は水分補給とおにぎりを食べてゆっくりと50分間の休憩を取りました、この辺で身体を高度に慣れさせていかないと高山病になりやすいのです。
合戦小屋を10時40分に出発しました。
合戦小屋から約30分歩いて合戦の頭(かしら)に到着です、ここは2489mの三角点を持つ小ピークになっています、山ガールが立っている所が三角点です。
またここは森林限界点でこれから上には直立している樹木はほとんどなく、ハイマツや幹が横に伸びた樹木が多くなります。
お天気が良ければ後ろに大天井岳(オテンショダケ)や表銀座コースの尾根筋が望めるのですが、今日は雲の中です。
この辺は花崗岩が登山道に露出していて歩きにくい道が続きます、油断すると足を痛めるので慎重に登って行きます。
次のピークに登って行く登山者の列が見えます、クリックしてみて下さい。
途中のピークから登ってきた方角に合戦の頭が小さく見えます、後ろの黒く大きな山は有明山です。
しばらく歩いて上を眺めると山頂にヒュッテ燕山荘(エンザンソウ)が見えます、右奥に見えるピークは燕岳の頂上です。
山頂に近くなると鎖のついた岩場や花崗岩が露出している場所が所々に有ります。
燕山荘に12時20分到着です、登山口からここまでの所要時間は6時間でした。ガイド本の標準タイムは休憩なしで4時間になっています、今日の途中の休憩時間は合計1時間30分でしたので5時間30分で到着するはずが30分のオーバータイムです、数年前までは余裕で標準時間クリアーしていたんですが。
山荘前は先に到着した登山者が景色を見たり写真撮影したりで寛いでいました、時々青空が覗くものの曇り空で白い霧が流れてきてあたりの景色を遮ります。
山荘前から燕岳の頂上を望む、露出した花崗岩が風化により美しいオブジェを造っています、ハイマツの緑と花崗岩の白に奇岩のオブジェの織りなす山容はまさにアルプスの貴婦人と呼ぶにふさわしい姿です。
大天井岳(オテンショダケ)や槍ヶ岳に続く表銀座コースの従走路の尾根が伸びています、天気が良ければこの先に槍ヶ岳の雄姿を望む事が出来るのですがあいにく今日は雲の中です、天気予報は見事に外れましたね。
喫茶ルームの窓越しにオープンカフェテーブルがあります、ここでビール等のドリンクを飲みながら雄大な景色を楽しむことができます、遠くは安曇野の市街も見えます。
ご来光もこの場所で見る事なできます。
室内の喫茶「サンルーム」です、この場所の窓越しにご来光も見る事が出来ます、左の席でこちらを向いていらっしゃる方は山荘のオーナーの赤沼氏です。
私は何回も燕岳の頂上に登っていますし今日は遠くの見晴らしも良くないので頂上には行かず山荘で景色を見て過ごす事にしました、サンルームでビールを飲んで過ごそうとして来たのですが、シニアのご夫妻と思われる方がワインを楽しんでいるのを見たら無性にワインが欲しくなって白ワインのハーフボトルを呑みました、1人で窓の外の景色を見ながらと云いたいところですがあいにく今日は霧に覆われて真白でした。
ワインのラベルは燕山荘のオリジナルのラベルです、地元の塩尻市のワイナリーで醸造されたワインのようです。
外のテーブルを見ると先ほど若いカップルが到着して休んでいます、若い時の御二人の登山は思い出に残るでしょう、若いっていいですね。
こちらの二人の御婦人はビールを飲みながら語り合っています、景色が見えないと関係のない他の事が色々と目に入ってきます。
時折、霧が切れて安曇野の街が見えます。
談話室の窓から燕岳の頂上が奇麗に見えていました。
山荘内の一般客室です、通路の両側に二段の客室が並んでいます。私は夜中にトイレに起きるので下の段にしていただきました、私の部屋は畳三畳の部屋でこの日は4人で寝ました、最高に混み合う時は三畳の部屋に六人が寝る事もあります。
夕食です、ご飯に味噌汁、クリームコロッケ、サワラの煮魚、野菜サラダ、漬物、デザートでした、山の上で300人以上の食材を揚げて料理するのは大変です、有り難く頂きました。
食事の後にオーナーの赤沼氏の山のお話とアルプスホルンの演奏がありました。
山の朝食は一番早い時間で4時半からです、食事をしてから出発するとどうしても5時半過ぎてしますので、朝飯をお弁当で頂く事にしていました、去年の登山の時から下りで膝がガクガクして苦労しましたので時間を掛けてゆっくり下ろうと思って弁当を受け取って山荘を5時に出発しました、外は霧雨が降っていて始めから合羽を、着て出ました。
下りは時間をかけて下って合戦小屋に着いたのは6時でした、この時間だと下から登る人も未だ到着しないので昨日の混雑は嘘のように静かでした。
今回の登山は半月前から天候の様子を見て天気予報を信じて昇りましたが、登山口から3~40分の所まで下った所から雨が土砂降りになって大変でした、その土砂降りの中を登ってゆく人たちが沢山いました、今年の山の天気は不順続きでいつになったら本当の夏山の天候が訪れるのでしょうか。
下山後に穂高の温泉健康ランドで山荘で作って頂いた弁当を食べて温泉にゆっくりと浸かってから帰路の付きました。
※頂上からの綺麗な景色やご来光を皆さまにお見せしたかったのですが、あいにくの天気でかないませんでしたので昨年撮影したご映像を掲載します
雲海から昇るご来光(2012年7月26日撮影)
朝焼けの槍ヶ岳(2012年7月26日撮影)
晴天の空に聳える槍ヶ岳(2012年7月26日撮影)
燕岳はお天気が良ければ素晴らしい景色を見られる事と600人収容の燕山荘があり北アルプス一番の人気コースになっていますが、危険なところはあまりないけれど傾斜はきつく侮れない山です、来年も登れるかな~、登るには事前の足の鍛錬が必要でしょうね。
次回の記事で登山道で見かけた花を紹介したいと思っています、ご訪問ありかとうございます。