秋も深まった10月26日から”菊花フェスティバルin白山”が開催されました。
会場の白山市松任総合運動公園の屋内運動場に27日に見に行って来ました、この会場に来るのは今年の夏に朝顔展を見に来てから二度目になります。
会場の中は菊の種類や造り方によって分けられています、最初は小菊の盆栽造りの作品から見て行きました。
小菊を石や古木と一体にして盆栽のように仕立てた菊は、自然界の景観を凝縮した景色を見る様ですばらしい作品が沢山並んでいました。
大輪の厚物菊は2本仕立て、3本仕立て、5本仕立てと咲かせていますが、元は一本の茎から分けて仕立てていいるようです、大きな花では直径が20㎝ほどの花が咲いていました。
大輪の管物(くだもの)は花火が開いた様に四方に管状の花弁を広げています。
白山市は町村合併する前は松任市でした、松任地区出身の歌人で加賀の千代尼は朝顔の歌で有名ですが、ここでは菊人形になっています。(あさがほに つるべ取られて もらい水)
菊咲て けふまでの世話 忘れけり 千代尼
こんなに立派な菊の花を咲かせるためには、春から一日も欠かさず世話をしてきた賜だと思います、そんな苦労も見事に咲いた菊を見ると忘れる、という心境を千代尼は詠んでいます。
小菊の懸崖(けんがい)造りです、一本の幹からこんなに沢山の花が咲いています、野辺の菊が崖から垂れ下がって綺麗な花を咲かせている姿の造りです。
会場の一角に”巴錦の部”というブースがありました。
巴錦は加賀のお殿様が参勤交代で信州小布施に立ち寄られた時に、飾られていた珍しい菊がお気に召され、、地元の人に名前を尋ねられたのですが答えられなかったので、巴錦と呼ぶように命名されました、以来信州ではこの菊の事を"殿様菊”と呼んで大切に育ててきました。
担当者のお話では、巴錦は苗木が石川県では手に入りにくいので、信州の愛好家にお願いして手に入れているようです。
通常、菊は良い品種が出ても10年ほどでカタログから消えて行くそうです、それは育てているうちに花が小さくなったり、接ぎ木しても芽が出にくくなってきて、育てにくくなってくるそうです、巴錦は130年も前から育てているうちに、育てにくい菊として愛好家が苦労したようですが、途中で培養技術を使って今日まで大切に守られているようです。
花弁の内側が濃い紅色で外側が金色を帯びたクリーム色をしています。
去年、信州の小布施の近くの須坂臥竜公園の菊花展でみました見事に咲いた殿様菊です。
(2014/10/29撮影)
こちらのコーナーは"福助つくり”のコーナーです、苗木を鉢に植えた時に、矮化剤を使って矮化して育てた菊です、花は大輪ですが茎の長さが極端に短く育てています。
こちらの子菊は白山市立わかみや保育園の5歳児が育てた菊です、保育園で水やりなどのお世話をしたのでしょう、保育士の方や職員の方が応援したのでしょうね。
会場は種類毎に分けられた品評会になっていて、優秀作品には市長賞などの賞が付くようですが、まだ賞の札が貼られた菊はありませんでした、これから採点をして決めるようです。
8月に朝顔展を見て夏を感じて、10月に菊花展を見て秋を感じました、花は見る人に季節感を与える大切な役割をしています、しかし現在では冬でも色々な花を見ることができて季節感が失われてきているようです。
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