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「出演、お願いします!」
と、自分にお呼びがかかるのは能役者にとって、とても嬉しいこと。
「あなたを見込んで」
と、頼まれたら、誰でも超嬉しく、舞い上がります。
明日、大槻文蔵先生より「大槻能楽堂自主公演」にて『邯鄲』の出演依頼を受けて勤めます、名誉な事です。
主人公の盧生は青年ですが、その青年を66歳のジイさんが勤めます。
もう少し早ければ、と内心思っていますが、精一杯勤めます。
『邯鄲』は今回で四回目ですが、過去三回は、悩み深く、真摯ながらもどうも暗い陰湿っぽい青年像を描いて演じてきました。
しかし、今回は変えます、変わります。
少し明るく希望に満ちた盧生です。
知識人の居る羊飛山(ようひさん)に向かう意志の強さ、少し拘りのある頑固っぽい盧生を演じたい、と思っています。
これは、今迄の能楽師の固定概念からは、少し外れる盧生像かもしれません。これが正しいか、どうかはわかりません、演ってみなければ。
今、66歳のジジイは、そう思って勤めようとしています。
演者が日々変化することはそう悪くない、と思っています。
今、明生(66)盧生は、大槻能楽堂から指定された「日航ホテル大阪」という素晴らしい宿に一宿したします。
白いかんたん枕は用意されています。
さて、起きたら食べる盧生の粟の飯は・・・
あれ、順番違うなあ!!
思い出すなあ、亡父・菊生の言葉。
「このお話、もっと早く来たらなあ・・・」
と、全く同感です、あ!もう夢現。