能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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能『卒都婆小町』を勤めるにあたり その3

2018-02-10 12:13:58 | マジメ能楽 楽屋表話
『卒都婆小町』を勤めるにあたり、いろいろと勉強出来て面白い。

♪ 「身は浮き草を誘う水、
無きこそ悲しかりけれ」♪


もう誘ってくれる人もいないから、寂しいわ

と嘆く百歳の小町は物乞いをするまで落ちぶれている。

「でも私、昔はね。髪は綺麗で、しかも美声で身分も高くて」
と自慢するが、ドキっとするような言葉を吐いてしまう。

♪「今は民間、賤の女にさえ穢なまれ」♪

「なのに今は、身分の低い女にまで汚い、と不快に思われ・・・」と。

「排除」という一言で、時の流れを変えてしまった、だれかさんを思い出す。

民間、賤の女、穢なまれ、

これらの言葉から想像する小町像はたぶん、傲慢で、我が儘、気が強く、マイペースな人。

そんな性格が垣間見えるように演じられたら、と思って稽古に励んでいる。

この投稿で誰かを敵にまわし、逆風が吹いてしまうかもしれない、
と少々心配する私は、後半は深草の少将となる。

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文責 粟谷明生


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