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昨日は申合後、粟谷本家で装束出しをしました。
まずは自主公演の『昭君』の装束出しです。
前シテの面は、やや色が濃いめの野卑な感じの三光尉を選びました。
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前シテの装束は水衣の上に「側次(そばつぎ)」を着ることで唐風なイメージにしてみました。
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着附は、やや光沢ある小格子熨斗目に濃茶色の水衣、そして一番上に側次を着る、
という組み合わせです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/72/6e2fc5393c2cdc71ccb25db081ce4511.jpg)
前ツレも同様に側次を着けてもらうつもりでしたが、
生憎、相応しいものが無く残念ながら断念しました。
少し心残り・・・・トホホ
後シテの面は喜多の本面と言われている「小ベシミ」を使用します。
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実はこの面、一度割れている危険な状態なので扱いには特に注意が必要です。
気をつけて付けていますが・・・・
万が一、非常時のために、替えの面も持参します。
この面の裏に能静の目利きが記されており、歴史ある古面ですのでそれに恥じないように舞いたいと思っています。
後の装束は裲襠に着附の厚板、半被は直ぐに決まりましたが・・
半切大口の赤の色で、相当悩みました。
濃いめの赤にするか・・・
薄めの朱色にするか・・・・
赤頭との具合、裲襠の赤色模様とのバランスなど、など
結局、落ち着いた色合いになる朱色にしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/79/015a8b70b14daaf735b82f8821f604f8.jpg)
左から、格子柄入り紅色厚板、裲襠、亀甲柄半被、朱色半切
さて、後シテの頭(かしら)についてお話します。
通常、五流ともに赤頭のようですが、最近観世流などでは、
「赤頭では単なる鬼の形相になってしまうので、もっと人間的なイメージで演じたい!」
というお考えが流行のようで、黒頭にしてより人間っぽいイメージで演じられているようです。
そうか!では私も同様に黒頭とも考えましたが・・・・
先代観世銕之亟先生のお言葉を能夫氏から聞いて・・・・
今回は赤頭を選択しました。
そのお言葉とは・・・・・
「赤頭のイメージは~~紅毛人なんですよ 赤だから鬼ではないんですよ
単なる鬼ではない、異民族の象徴なんですよ」
と・・・・
なるほど、私の「赤イコール鬼」のイメージは払拭出来たので、
私、赤頭で勤めます。
また頭の上につける唐冠(とうかんむり)も、
はじめは蛮族が漢民族の冠を被るのは可笑しいと思い、無しで勤めるつもりでしたが
「和睦したことを、蛮族が唐冠を付けることで説明出来るかもね~~」
という先輩の言葉に・・・・、これも納得!
お能って面白いものなんですよ
演じる者には最高の場なんですよ
一応、明日は唐冠は付けるつもりですが・・・・
時間がなかったり、もしかして、気が変わったら・・・・
それを是非、確認にいらして下さい。
皆様のご来場お待ちしております。