能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

粟谷能の会能楽鑑賞講座のご案内

2012-10-03 16:41:58 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
恒例になりました粟谷能の会「能楽鑑賞講座」は10月10日(水)13時半より15時まで国立能楽堂大講義室にて行います。

参加登録されて第92回・粟谷能の会のチケットをお持ちの方は無料です。
またチケット未購入の方も登録して下されば¥1000で聴講出来ます。
只今、60名様が登録されています。(残席20名様)

参加登録先 akio@awaya-noh.com

今回は粟谷能の会の上演曲『歌占』と『求塚』を現代語訳して小冊子にいたしました。

「佐野の茎立若立ちて、緑の色も名に染む、長安の薺(なずな)、唐薺、白み草も有明の雪に紛れて摘みかぬるまで春寒き、小野の朝風、又森の下枝松垂れて何れを春と白波の川風までも冴え返り吹かるる袂も猶寒し、摘み残し帰らん若菜摘み残し帰らん」

この詞章を聴かれて、すぐに状景が想像出来る方は「こんなものいらないよ!」と仰るかもしれませんが、「なに? なんて言っているの?」と私と同じようにお判りならない方には、お役に立つと思います。
予め、ご一読されると、能がより身近に感じていただけるのではないか、と思いご来場の皆様にもれなく配布いたします。

ご参考までに上記の現代語訳です。

「すず菜の薹も若々しくのびて、緑色がたいへん美しいと評判です。
なずなもあります。辛なずながあります。白根草もあるようです。
明け方に降った雪に紛れて摘むのに苦労するくらい春はまだ浅く寒々としていますし、
野辺を吹く朝風は冷たく、松の下枝は雪の重みで垂れ下がり、
何処を見ても春だとは思えません。川風は冷え冷えとして袂に吹き入って本当に寒いのです。あまりに寒いので若菜は摘み残して帰りましょう」

未登録の皆様、ご登録お待ちしております。



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