能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

猛暑の遊行寺薪能

2006-08-25 07:10:16 | 粟谷明生の日常

昨日は大猛暑の中、藤沢の遊行寺で薪能があった。
能の前には恒例のススキ念仏がある。

舞台中央にススキを置き、その周りを回りながら念仏を称える。
最初は物珍しく目をひくが、私なんぞは、このての繰り返しの動きは苦手。
すぐに飽きてしまう。
いけませんな~~~

写真はそのススキ念仏だが、写っている皆様は~
なんと今回が初めてという新人さん、
これは内部情報。

現在のご住職さまは、一遍上人から七十四代目とパンフにあった。
あれ~~確か~~
金春流宗家も七十何代だな~~
来年四月九日には宗家継承能があって、
喜多流からは父の仕舞がある
まあ~どうでもいい。

時宗に関連した能には『遊行柳』や『実盛』などがある。
もちろん薪能でこんな曲目が出されたら、アウト!

この時期の薪能は曲目を考えないと、出演者はもうダウン寸前。
お囃子方は、舞台上では涼しい顔をしながらも
楽屋に入ってくるなり全身汗だらけ、グロッキー状態。

「たいへんね~~、でもまだもう一番『小鍛冶』があるよ~~」
と声をかける、
イヤミな一面を持つアキ君だ。

私も舞台裏のテントで装束付けをお手伝いをするが
すぐに頭から汗が出てくるので~~~
たまらず~~
奥の院の冷房のある部屋に逃げ込んで、

「生き返った!」
と叫んでしまう。

『玉葛』の後シテの「増寸髪」
『小鍛冶』の「童子」「泥小飛出」
先日の能面展・幻のメンバーの作品だった。

自分の作品が舞台にあがるというのは、どういう気持ちなんだろうか?
屹度、ドキドキもんだろう。

息子や弟子が舞台に出るときの、
私みたいなものだろう、な~~。

小鼓の鵜澤洋太郎さんはお父様の速雄先生がご逝去という
ご不幸なのにしっかり舞台を勤められていた。
舞台人というものは、こういうものなのね~~

  合掌


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1 コメント

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なぜか・・・ (こみみん)
2006-08-28 20:10:51
この記事を拝読し、なぜかしっとり涙ぐむ私でありました・・
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