能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

スケート観戦から能楽理論へ、これってヘン?

2010-02-27 21:09:31 | カルーク面白楽屋裏話
国民の関心のオリンピックの女子フィッギャスケートは
キム・ヨナ選手が 金
日本期待の浅田真央選手は 銀

採点は技術点と芸術点の合計で決まる
このスケートの演技って~能にも共通するようだ。

能も演者(選手)の演技を観て
お客様という審査員が採点する。

・・・・実は楽屋内にも審査員がいるのだが・・・
つまり全員に能楽師は採点されているのだ。

まず技術点は~~
能では演者(選手)として
正確に舞い、謡うこと、技術の完成度が要求される。
拍子(リズム)を外ずすなんて~もう論外 減点。
当然、演者は100点満点をねらうのだが・・・

次に芸術点
これは演者が能の作品をどの程度理解し、
どのくらい表現し、観客に伝えられるかが求められる。

いくら本人が必死に頑張っても、
相手(観客)にちゃんと伝わらなくてはこれはだめ、

落第点

減点!

マイナス楽師 トホホ


さて、ここからが現場中継、
当ブログのメイン暴露話ですぞ~

私たち喜多流の演者は
技術点での減点は絶対ないように!完璧に!
と、先生に教えられてきた

しかし、芸術点となるとどうだろうか?
その得点の仕方、その極意ということになると
お聞きすることでもないし、
またお聞ききしてもお答えはないだろう、それが現実だ。

まあ、これはどこの世界でも同じかもしれない。
そんなに簡単に「はいどうぞ」なんて
安易に教えて下さるはずがない。

喜多流の能役者が良い舞台を勤めるには~~
芸術点の高得点上げる、この極意を身につけ、
その意識に目覚めることだろう

教える方も、教わる方も
能舞台の真髄は基本の技術の上にある
魅力ある芸術点である、ということを

減点されるからと受け身になるよりも
高得点を上げる積極性ある舞台作りを心掛ける

これは順位が決まった後の二人の滑りをジックリ観て
特にキム・ヨナの演技を観て、つい投稿してしまった
54歳・アガキ能楽師の投稿ダンス告白でした。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
藝術点と技術点 (無名子)
2010-02-28 17:39:18
藝術点と技術点。

能を観る時にそんな区分はして見ているワケではないですけど。

その点で、技術点の比率が極端に高くなる「道成寺」が能楽師の一応の節目、と言われるのはなるほどと思います。もっとも櫻間道雄さんの「道成寺」はその論旨を逆手にとった舞台でしたけど。

じゃ、本三番目物……、老女物は……。確かに藝術点の配分が高くなるような気がします。
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お返事 (粟谷明生)
2010-02-28 23:19:16
無名子様
コメント有難うございました。

ゴチャゴチャ駄文を書きまして
すいません。失礼しました。

私、能が技術点さえ取れれば、
それで納得しちゃうような今の流儀の
ありかたが嫌だな~と、それが書きたかったまでで・・・・。

でもこの話題、切れ味が凄すぎるので
もうここらあたりで完結しちゃいましょう!

終わり!
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