能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

『白田村』を勤めて

2014-02-16 07:27:33 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
MOA美術館定期演能会(平成26年2月15日)は、前日から日本全土を襲う大雪のため、お足元の悪い中でのご来場となりました。

自宅から最寄りの駅までの移動がむずかしい、交通機関が運転の見合わせをしているなど、いろいろな悪条件が重なり、鑑賞をキャンセルされる方が多く、残念ながら見所は空席が目立つ寂しい演能会となりました。

しかし、足下がずぶ濡れになるほどの悪路の中を、また何度も交通機関を乗り継ぎされながらお越しいただきました皆様のお気持ちと、朝早くからお出かけの出演者の方々には、感謝と御礼を申し上げます。
皆様、洵にどうも有難うございました。

揚げ幕の横から見所を拝見し、「ご不便な中、わざわざ私の能をご覧になるためにいらして下さった・・・」と思うと胸が熱くなり、「ああ、来てよかった」と思って下さるような演能をしなくてはいけない!、と気持ちを引き締め、私なりに精一杯勤めさせていただきました。

能楽堂専属カメラマン・中川喜代治様から『白田村』の演能写真を頂戴しましたので、二枚ほどご紹介させていただきます。

前場 「唯頼め、標芽(しめじ)が原の、さしも草」と上羽(あげは)謡いを謡う前シテ・粟谷明生


後場 「鬼神は黒雲鐵火を降らしつつ」と『白田村』特有の片足を上げる型 後シテ・粟谷明生


さて、金沢競演の会『小鍛冶』白頭と今回の『白田村』を無事勤め終え、次に目指すは、3月2日の粟谷能の会『道成寺』です。今年、いや近年一番の緊張の舞台です。健康に気をつけて、モチベーションを高め、よい舞台が勤められるように、心掛けますので、皆様の応援、よろしくお願い申し上げます。

文責 粟谷明生

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