能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

長島 茂の会のチラシの写真は~~

2008-10-26 07:44:57 | マジメ能楽 楽屋表話
昨日は「長島茂の会」でした。
無事盛会に終わられ、仲間のひとりとして、
ほっと一安心しています。

添付した写真は長島茂の会のチラシの一部です。
ここに写っているのは~~、
実は私です。

喜多流の『野宮』は「小面」を使うのが決まりですが、
この写真の面は「小面」ではありません。

御息所を「小面」で表現しようとする喜多流の考えには
正直、無理があります。
観世流では「増女」を使用するほどです。

私は我が儘を押し通して「小面以外でやりたい!」と
思い許可を得て、ある方に相談しました。


「すいませんが~~~

おヒスな感じの表情を持ち~~

増女に近い大人の品のあるお顔で~~

御息所に使える面を

そんなの~~~

作って~~」

っと~~~~~
面打師の石原良子氏にお願いしました。

「なに、それ~~?!!!!」
と笑われましたが、
石原氏は打って下さいまして~~、
それが、この面です。

その後、この面がどのようになったかは~~~
消息不明。

今回長島氏が使用した面は~~
先日、私が大槻自主公演『采女』小波之伝に使用した
「宝増」です。

『采女』終演後、「宝増で『野宮』をやりたい!」
と決められたようです。

今回じっくりと「宝増」を見た感想ですが~~~

「艶な面で、やはりいいな~~」

次回これを使うのは~~~~~
あれ~~~~?

来年・・・・・・・

若い女を一番もやらないんだ~~~~

トホホ・・・・・・・・

21年度 53歳粟谷明生の演能予定です、
番数が少ないので、22年度はもっと舞えるように
動こう、と思っています。
応援よろしくお願い申し上げます。

3月1日  
『安宅』延年之舞 粟谷能の会

4月16日 
『白田村』    厳島神社御神能

6月28日 
『雲雀山』    喜多流自主公演

8月30日 
『鵜飼』     まほろば唐松能

10月11日
『通小町』『石橋』連獅子 粟谷能の会


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4 コメント

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ほっとしました。 (きつつき)
2008-10-28 19:23:45
先日長島茂の会に参りました。
美しい面にうっとり、でもどうも「小面」ではなさそう、「増女」でもなさそう・・
なんて考えながら生え際のあたりを
じっと見ておりました。
「宝増」という面だったのですね。
わかってほっとしました。
私も「野宮」は小面では、ちと無理があるかと思いますが、喜多流はなぜそうなんでしょう?
あの~、初心者のつぶやきです。
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お返事 (粟谷明生)
2008-10-29 16:33:21
江戸時代、能は幕府の式楽になり、シテ方の各流は流儀の特徴を出すため流儀を代表する面を申請しました。

例えば、観世なら若女、下掛は小面を選びました。
そのためそれが伝書に記載され、現在我々はそれを守っている、という事です。

必ずしも伝書通りでなくても、いい!
と私は思いますが、どうですか?
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ありがとうございます。 (きつつき)
2008-11-10 09:57:36
粟谷明生様

ご教授いただきまして、ありがとうございました。旅行に行ってまして、お礼申し上げるのが遅くなりました。
代々、伝書を守り、伝えていくなかで、
時代は変わっていってます。
伝書の意味・・・、時に立ち止まり考える、
そのプロセスがとても大切だと思いました。
あれ~、変なこと言ってすみません。

まだよくわからないお能ですが、
雰囲気が大好きで通い始めております。

余談ですが、はじめて観たお能が、
明生様でした^^
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お返事 (粟谷明生)
2008-11-10 22:48:03
きつつき様
コメント有難うございます。

はじめてのお能が~~
私?

あ~~なんてお返事したらいいのかなあ。


お能は同じ曲目でも、演じ手とか流儀で
全然違いますよ。

一度観たからもういいや~~
と仰らずに、いろいろ見方でご覧下さい。

色々ご覧になると~~

いろいろ、様々な人がいるな~~!!!
と判りますよ(笑)

また私も観にいらして下さいね
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