三年間、恋しい女の家の門に錦木を立てつづけた男、哀しいかな女が応じないまま命を落としてしまいます。その男の魂は己が置いた錦木と一緒に塚に葬られていますが、恋慕の執着により未だに成仏できずにいます。
旅僧の読経により男女の亡霊が現れ、機を織る有様や女のもとを訪れる様子を見せますが、それは旅僧の見た夢でした。というのが『錦木』のお話。
さて後場に男を拒む女が、遂に許すのを、あることで表現しています。
それはなにでしょう?
答え
後場、クセの舞の中で女の前に置いた錦木を途中で後見が取り入れます。
それが「OK!いらっしゃい」です。
その瞬間がいつかな?いつ?とご覧になるのも面白いかもしれません。
今夜Eテレにて『羽衣』霞留 シテ 粟谷能夫 地頭 粟谷明生が放映されます、こちらもご覧いただければ嬉しいです。
文責 粟谷明生
ところで、霞留とはどういう形式の終わり方なのですか。
最後まで謡わなかったようですが。
天女が下界が名残惜しいなあ~という感じは「舞込」ですね、「霞留」はやることやりましたから・・・月の世界に帰らせていただきます、と振り切った感じでしょうか。