能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

伝授の仕方、・・・教える者は判りやすく・・・

2009-09-11 11:31:28 | カルーク面白楽屋裏話
喜多流の仕舞では、構え(通常立っている姿勢)から
正面に出ながら両手を、中央遠くに合わせるようにする型を
「シカケ」という。

他流では、「サシコミ」というらしいが、
この両手をスーッと前に綺麗に出せるようになるには~
度重なる稽古が必要だ。

しかしこの一見、簡単そうに見える動作だが、
手の動きが堅すぎたり、
ナヨナヨして力が入らなかったり、
と、なかなかうまくいかないようで、習われる方々のお悩みの種のようだ。

昨日、試しに
「ねえ、正しく、きれいな握手の仕方ってあるでしょう?」

「あ、はい」

「そのように、シカケてごらん」
と、指導した。

「相手の胸元近く、に手荒く、早く手を出して握手求めても相手は嫌がるだろう?

「え、え・・・」

「また、ウジウジと握手したいのかしたくないのか、と思われるような
相手の手が届かないところに、恐る恐る手を出しても~~~
きっと快く握手してくれないだろう?」

「そうですよね~」

「相手が気持ちよく握手してくれるように、適度な手の出し方
そのスピード感覚とその距離感があるでしょう~~~
それを想像してやってごらん~~」

と指導したら~~~~~

見違えるように綺麗なシカケをなさった。
指導者は相手が判りやすいように教えること!
これを忘れてはいけないと改めて思ったので、メモとしてここに投稿しておこう!

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