能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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能『鵜飼』のご紹介 その4

2021-09-09 06:15:40 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
悪い事したら地獄に堕ちるよ!
嘘ついたら閻魔様に舌を抜かれるよ!
物を盗んだら鬼に叩かれるよ!
と、子供の頃に言われた事はまだ覚えています。
政治家の皆さん
舌は何枚もおありでしょうが、やはり抜かれる時は相当痛そうですから嘘は、おやめになった方が良いですよ!
 
さて、喜多流の『鵜飼』の謡本に、後シテ「閻魔王」と記されています。
但し、謡の詞章に「閻魔」は無く「悪鬼(あっき)」の言葉を使っています。
 
どちらもお会いしたくない怖そうな方々ですが、閻魔王は裁きを決める王、悪鬼は地獄で働く怖い鬼、と思って舞台を勤めて来ました。
この閻魔や悪鬼に使用する能面は「小ベシミ」と呼ばれ、真っ赤な顔をして口をへの字に結んで我慢、なにかを耐えている表情です。
写真の「小べシミ」は閻魔大王・悪鬼どちらでも想像出来る底力を感じる魅力ある面で今回は「粟谷家所蔵能面選」でもご覧になれます。
裏面に「天下一近江」の烙印があり、江戸時代前期の名人児玉近江満昌作とされている粟谷家蔵の名品で勤めます。
 
能面にご興味のある方は、是非ご覧いただきたく、ご案内申し上げます。

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