粟谷明生能楽教室入門編『西王母』募集中

戦闘機が滑走路を離陸するのを間近で見ている、と想像してほしい。

そのスピードは超速く、爆音と共に遠く高くへと飛んで行く。

機体を見上げると、その姿は次第に遠のき、次第に動いていないように見えて、そして最後は消える。

実際にはとても速いのに、人の目にはゆっくりと見える、そんな時がある。

能『西王母』は「雲の花鳥 春風に和しつつ 雲路に移れば王も伴い よじのぼる。王母も伴い のぼるや天路の行方も知らずぞ なりにける」

語訳すると、
孔雀や鳳凰などの鳥が春風にそよそよと送られて空に上がって行くと、西王母も一緒に天上に上がって行って、行方も知れず見えなくなってしまった〜
と、終わる。

能役者は この場面を舞台をゆっくり大きく右回りして、最後は小さく、またゆっくりと左回り二回転の動きで表現する。

この「ゆっくり」が、能ではとても速い、と演出し演者は舞うのである。

能は、演者がゆっくり動いていても、観る人はゆっくりではない！と想像してもらう、お相手あっての、お相手任せの芸能なのである。

そこで、この「ゆっくり」の動き、能を体験してみませんか？

来年1月9日(火曜日) 19時よりスタートする、「粟谷明生の能楽教室入門編『西王母』」にて、ゆっくりを体験習得してみてはいかがでしょうか？

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