能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

能『木賊』のご紹介 その3

2019-02-18 07:12:18 | マジメ能楽 楽屋表話
能『木賊』は、特殊な老人(男)の物狂(狂乱)物です。

以前喜多流では『卒都婆小町』などの老女物と同様に、演者は還暦を過ぎなければ勤められない秘曲扱いをしていましたが、近年還暦前に披かれた方々のお陰で、秘曲が神棚から下ろされました。そのため、とても大事にしていた秘曲が現場の能楽師に身近に感じられるようになれた事は、今に生きる能楽師にとって、とても良い事だと思っております。

能『木賊』は、特に後半の、ありし日の少年の面影を慕い、夢ではない、現の舞(序の舞)を舞う演出が珍しく、その技芸が特に難しいところであり、見どころでもあります。



私は、普段はあまり面をかけて稽古はいたしませんが、どうも『木賊』は尉の面をかけなくては、なかなか気持ちが立ち上がってこないので、小牛尉をかけて稽古を重ねております。

2/21(木)19時より、国立能楽堂大講義室にて「粟谷能の会・能楽鑑賞講座」がございます。

ご鑑賞される前に、演者が演目に対してどのような気持ちで勤めるか、また見どころなどを、ご紹介させて頂きますので、是非ご来場頂きたくご案内申し上げます。



第102回粟谷能の会入場券をお持ちの方は無料ですが、お持ちでない方も1000円にて、ご参加いただけます。
またチケットをご購入いただきましたら無料とさせて頂きます。

皆様のお越しをお待ち申し上げております。

追加 チラシ裏面に記載されております、粟谷明生事務所のメールアドレスは下記に変更されました。

(新) noh@awaya-akio.com

(旧) awaya@awaya-noh.com

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