能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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景清について 鑑賞手引き その2

2012-01-06 05:45:18 | マジメ能楽 楽屋表話

私が初めて『景清』のツレ人丸(ひとまる)役を勤めたのは昭和45年(15歳)の時で、シテは父・菊生でした。

人丸役は13回勤めてきましたが、そのうち9回が父の『景清』でしたので、いかに父が多く『景清』を勤めたかが判ります。

写真は父が晩年札幌で公演したもので三上文規氏の撮影です。

15歳の青二才に人丸役を演らせた父や伯父・新太郎の考えは少々無謀で,あまり賛同出来ませんが、「何事も経験」という大胆発想を貫く姿勢だとするならば、私はよい経験をさせてもらった、ということになります。

あの初役は今でも思い出すと赤面するほどの出来が悪く、反省しています。
この人丸をいっそのこと子方(子役)で…という考え方もありますが、私は幼い子方は似合わない、やはり身体と声が大成した青年が相応しいと思っています。

今回、息子・尚生は22歳で人丸を、私は56歳で共に初役に挑みます。
父や先輩からの伝承を共に体得し、「何事も経験!」というモットーで親子精一杯勤めたいと思っておりますので、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

つづく

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