もう6月になってしまった!
時の流れが早過ぎて焦ってしまいます。
在原業平は杜若「か・き・つ・ば・た」の五文字を各句の頭において歌を詠みましたので、私もやってみました。
か 買った服
き キツくて
つ 遂に処分する
は 腹のお肉を
た 叩き悲しむ
さて『杜若』の簡単なあらすじをご紹介します。
諸国一見の僧が都から東国へ旅を重ねて三河(愛知県)へ着くと沢辺に杜若が美しく咲いています。
見とれていると里女が現れ、昔ここで在原業平が「かきつばた」の五文字を各句の頭において
「からころも、きつつなれにし、つましあれば、はるばるきぬる、たびをしぞおもふ」
と、歌に詠んだ故事を教え、僧を自分の庵に案内します。
(物着・中入)
女は冠と唐衣を着て僧の前に現れ、自分は杜若の精であり、業平は歌舞の菩薩の化現であるので、その詠歌の功徳により非情の草木も成仏したと教え、僧に舞を見せてやがて消えてゆきます。
後シテは杜若の精と名乗りますが、ある時は男・在原業平に、またある時は女・高貴な后にも変身します。そこには恋の恨みのような情調はなく、歌舞の菩薩の業平によって「草木国土悉皆成仏」の仏教の香りを感じさせます。
観能には、先ず頭に紫色のスクリーンを想い描いていただき、花の精→業平→高子→菩薩がどう回転するのか、また四つの場面をご自身の万華鏡を回してご覧いただくのも一興かと思います。
出来れば、伊勢物語の「芥川」「東下り」を前もってお読みいただければ、さらに面白くご覧になれると思います。
ご来場をお待ち申し上げております。
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粟谷明生事務所
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