能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

「お好み」を見つけるには?

2014-04-11 07:48:12 | 言いたいこと・伝えたいこと 
洋服を買う時、まずどのようなタイプのものが欲しいのかを考え、お店に出向く。以前は考えずに店に出かけたので、買わなくてもよいものまで買ってしまうことがあり、今は反省して衝動買いは控えるようにしている。

60歳近いチョイ悪オヤジが、そこそこに流行りに乗れて、しかもそこそこ似合うものが着たい、そう思っている。しかしなかなか、そこそこに似合うものを見つけるのはむずかしい。そこで店員さんのお力を借りる、お手伝いいただくわけだ。

「このジャケット、着てもおかしくない?」「こんなデニムで大丈夫?」と。またいろいろ薦められたものも、最後は「どちらがいい?」と判断を仰ぐ。

さて、この店員さんがどのような人なのかが、重要だ。身近にいるなら誰でも構わない、というのではいけない、私なりの拘りがある。

男性ならば、「あなたが着ているものはどこのメーカの、なに?」と思わず聞いてしまうような身なりの方を選ぶ。女性の店員さんの場合は、年令を問わず自分の好みのタイプにしている。好みの女性と言うと、イヤラシイ、スケベと不快感を持たれるかもしれないが、自分の好みの女性が好むスタイルをしたい、という単純、不純な発想だ。これがイヤラシイ、スケベと言うならば、私は正真正銘の・・・、姓をいやらし、名を助平、と名乗るしかない。

店員さん達は、商売の立場上「これはよいですよ・・・」と薦めるが「ダメですね」は言わない。しかし、なぜ似合い、なにが似合わないのかを、購入者は今後のためにも知りたいのだ。そうなると懇切丁寧に教えてくれる店員さんを味方にすることが勝ちに繋がる。

よい店員さんの説得力ある言動は、私に「では、これにしよう!」と最終決定をさせる。なんでも最終決断は自分の責任。己の感性、感覚で決めていい。そして、それに至るまでには、好みのひとにいろいろとご教授をいただく。簡単なこと、いたってシンプルな作業だ。

能をご覧になったあと、お稽古仲間やお友達と皆様でいろいろと感想を言い合うのも観劇の楽しみの一つだろう。ブログなどに感想文を書くのもいい、大賛成だ。ただし、「以前能評にこう書いてあったから」「だれだれがこう言っていたから」を丸呑みするのはやめよう。まわりの影響を受けないで、自分の感じたままを素直に表現するのがよいと思う。特に能というむずかしい演劇は、己がよければ、それで吉でいいと思う。

ご覧になる方も演じる側も、今までにない演出や工夫をすると、頭ごなしに「よくない、合わない」と決めつけ「前の方がよかった」と水を差す方がおられる。この手のひとはそう言うこと自体が悪いとも思っていないし、己を変えようとは思わないタイプだから、改善は無理。

ただ周りへの押し売りはしないでほしい。押し売りならば、来るな!と言えるが、それが言えない。この押し売りタイプ、年配者が多いのかと思ったら、意外に30代40代で同じようなことを言うから驚く。

古着も悪くはないが、最新流行を追いたがる性分の私だ。周りからのアドバイスは積極的に聞くが、「前の方がいい」の消極的なことを言う輩には、近づきたくない。ああ、書いてしまった。言いたい放題どうかお許しあれ。


文責 粟谷明生

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