能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

粟谷能の会は盛会に満員御礼

2009-03-02 17:47:22 | マジメ能楽 楽屋表話
昨日の粟谷能の会は国立能楽堂で満員御礼!
無事盛会に終了いたしました。

大勢の皆様にご覧いただきまして主催者として、
また演者として、とても嬉しく、遣り甲斐のある舞台となりました。
やはりよい舞台創りには、よい観手(観客)が必要です、
昨日の見所からは、とても充実した舞台に注目するような空気が感じ取れ、
私としてもやりやすい雰囲気が感じ取れて、改めて皆様に御礼申し上げます。

さて、私の『安宅』ですが、今回は二回目ということもあり、
初演より幾分落ち着いて演じられたように思っています。
物語の展開と進行の中で、弁慶がどのように考え対応していくか、
その有様をうまく歌舞伎ならないように、能の結界を越えずに
しかし、芝居心を忘れずに、表現出来れば、と考え勤めました。

落ち人なれど、義経を守り、勇者武士団の頭領として、常に冷静でありながら、
いざという時は機転を利かせる弁慶。
僧であり武士である男、そんな弁慶が目指しました。


今回のメインは延年之舞ですが、実は番組には記載しませんでしたが、
小書「瀧流の掛」を再現しました。
楽屋内の評判もよく、これが将来流行れば、と思っています。

子方の友枝雄太郎君は声変わりの時期です。
本人も辛いと思いますが、よく頑張って声を出してくれて、
なんと言っても、きちっとした構えと運びで、
私の舞台に華をそえ、引き締める効果を放って下さいました。

笠が落ちるアクシデントがありましたが、あれは子方の責任ではありません。
大人の付け方、そして最終的には最高責任者であるシテ、私の配慮不足ということになるのかもしれません。
あの出来事がちょっと残念でしたが、その他は私の目指した『安宅』が出来たと喜んでいます。

それもご協力いただいた、三役・地謡・後見そして立衆をしてくれた仲間達のお力だと感謝しています。

これから演能レポート『安宅』を書きます。
二週間後ぐらいになりますが、粟谷能の会ホームページでご覧になれますので、
それまでお待ち下さい。

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
花の安宅 (玉手)
2009-03-02 18:52:28
安宅、拝見しました!

いろいろと面白かったです。
面白さ=花、
現在の明生さんの「時分の花」が
ぱぁっと咲いたように感じました。
メインの延年之舞は、
延年と翁と修験の関係を
改めて考えさせられますね~

笠の件は、
アクシデントにもかかわらず、
落ち着いて見えた雄太郎さんに
かえって感心してしまいました!!

演能レポート楽しみにしています!!!
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お返事 (粟谷明生)
2009-03-02 21:00:47
玉手様
コメント有難うございます。
早速ですね、いの一番!
有難うございました。

笠の件、そのように優しいお言葉を掛けていただくと
付けた大人も気持ちが楽になることでしょう。
友枝雄太郎くんは落ち着いていて、皆様感心していますね。

クリコさんの観能日記(http://kuriko.jugem.cc/?eid=801)にも記載が早く、驚いています。

私も演能レポートを早く仕上げるつもりです。
仕上げても写真がこないとアップ出来ないのですが・・
吉越カメラマンが飛び上がったところを撮影したらしいです・・・・
期待してお待ち下さい。

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ギャ~! (クリコ)
2009-03-02 23:56:09
明生先生

私、今回、先生の目の前で(?)ウトウトなどしておりまして、本当に恥ずかしく思っております。。。

日記のほうも、いつもに増してはなはだ無作法・不調法でございます。

どうかもうお許し下さいませ。。。
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お返事 (粟谷明生)
2009-03-03 00:18:39
クリコ様
コメント有難うございます。
リンクしたの~~だめでした?
でも、私としては嬉しい文章ですので
このままご紹介させて戴きたいと思ってます。

よろしくお願いしま~す!
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拝見しました! (藤本佳弓)
2009-03-03 10:58:18
 こんにちは。阪大喜多会の藤本です。このたび初めて国立能楽堂に観能しにまいりました。細かなニュアンスや演出に言及するにはまったくの勉強不足で恐れ入りますが、短い感想を記させてください。
 「安宅」のキリの末、橋掛に移動した直面シテの凛々しい面差し。そこには、明生先生自身ブログに書かれているような重厚な内面をもった大人の男・弁慶の決意の念が表れて見えました。舞台を踏みしめる山伏たちの迫力や、アクシデントにも動じない子方さんのプロ根性を含め、演能中、舞台上には演者さんの気迫みなぎる空間が現出されていたように思います。
 あと、個人的には「殺生石」の女体が舞に禍々しい趣を加えていたことや、狂言「横座」のシュールな光景が心に残りました。ちなみに国立能楽堂がディズニーランドと同い年だということにも驚きました。
 そして、舞台後、にこやかな明生先生にお目にかかれたのが素敵な思い出になっております。ありがとうございました。
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Unknown (小澤芙美子)
2009-03-03 14:00:05
東北大喜多会の小澤です。

明生先生の『安宅』をみることができ、大変勉強になりました。

弁慶と山伏が関守に詰め寄る場面など、大勢で演じるとすごい迫力がでるのだな、と思いました。

私たちも4月の明生会でよりよい発表ができるように、春休みの稽古に励んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
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拝見いたしました (いち観客)
2009-03-03 16:07:15
粟谷様

お世話になっております、メール会員何某です。
安宅を拝見し、いやもう、堪能いたしました。

笠の一件は一瞬ひやりとしましたが、全体から見れば『ほころび』程度のものだったかと思います。確かに子方の方は落ち着いてらっしゃいましたね。。
この場面、なぜか私の隣りの方は嬉しそうにひそひそ話してらっしゃいました。
おだまんなさいあんたたち(笑)と思いました。

「盗人ぞうな」のあと「天魔鬼神」と続く、富樫に山伏がぎゅうぎゅう詰めで ^^ 詰め寄る場面の無表情だけれど力の入ったシテとツレの様子、終わり近くの男舞(延年の舞ですね)も興味深く拝見いたしました(この後お書きになられるレポートを楽しみにしております)。

この次は幽霊、更にはケモノ?となられた粟谷様を秋に拝見するのを楽しみにしております。(あ、雲雀山もありますね)

長文失礼いたしました。ご自愛ください。
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ありがとうございました! (すじゃーた)
2009-03-04 00:07:24
阪大喜多会前部長です。今回は素晴らしい舞台を拝見させて頂きまして本当にありがとうございました。

「安宅」では、国立能楽堂の広い空間の中で、演者の方々と見所が独特の静寂の中で一体となった雰囲気を少しずつ作り上げていき、なんとも言えない心地よさを感じました。

また延年の舞での囃子方の先生方との独特な間合いに目を奪われました。
やはり弁慶にぴったりの舞ですね。

先生からは常々、仕舞や謡が上手くなるためには、いい舞台をたくさん見ることが肝要であると伺っておりましたが、もっとたくさんのことが知りたい!見たい!と気持ちを改めて持ちました。

最後となりましたが、来週の春の会に向けて、僕たちもしっかり準備をしていきたいと思います。来週もどうぞよろしくお願い申し上げます。


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Unknown (成澤)
2009-03-04 10:39:37
安宅に招待いただきありがとうございました。
今まで見たことのある能と異なり、舞台上にたくさんのツレが並ぶ姿は壮観でした。
その中においても、力強く機転の利く弁慶が目立ち、能での強さを感じられました。
また能からは外れてしまうかもしれませんが、子方が後ろに下がったときに、傘がとれてしまったところは、逆に一行の窮地に陥った感じがし、シテである先生の強さが鮮明に見えた気がしました。
私もその仕舞に応じた雰囲気を出して舞えるよう、稽古に励みたいと思います。
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皆様、コメント有難うございます。 (粟谷明生)
2009-03-04 14:46:24
沢山のコメント有難うございます。
皆様の投稿文、心暖かい応援内容で力が湧いてきます。

これからもまたよろしくお願い申し上げます。

阪大は今週の日曜日
東北大は4月12日
目指して、ご精進下さい!
期待してます
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