正月三が日も明けて、今日から仕事モードに復活します!
1月6日(水曜日)に勤める、
国立定例公演『邯鄲』も近づいて参りましたので、
公演について投稿します。
今回は私にとって、国からの初依頼公演です。
つまり、はじめて国立能楽堂から依頼されてシテを勤めます。
日頃、粟谷能の会などで、国立能楽堂を拝借しているので、
本舞台自体に、違和感やまた特別な緊張感がある訳ではないのですが、
やはり個人主催の会と違い、国からの依頼ということで、
やや責任の重さは感じています。
この度の『邯鄲』は、置鼓と働の小書付きです。
置鼓には二通りの演出があります。
ひとつは今回やります、狂言方の小書で
一畳台の大屋台が置かれますと、アイの野村萬斎さんが、
置鼓(小鼓だけの単独演奏)で、枕を持って登場します。
ただ、それだけですが・・・・・
まあ、お正月なので正式な雰囲気を醸し出す効果としてはいいのかもしれません。
そして、今まで国立公演ではやったことがないようなので、
この際、記録に残しておいた方がいいだろう~
という、国立のお考えもあるんじゃないでしょうか。
さて、もう一つはシテ方による置鼓です。
これはシテの登場が小鼓の音取(単独演奏)となり
型も装束も替わります。
調べてみましたら、シテ方としてはあまり食指が動く演出ではないようです。
実は、依頼されたときに
「傘之出でやらせて下さい・・・」
と申し上げたのですが、
「置鼓があるので遠慮してほしい」
との返答でした、
それなら~~~~
「働(はたらき)」で~~
と再度お願いしたのが、働で、これは直ぐに承諾されました。
こんな経緯があったのです。
では、この働をご紹介しておきましょう!
シテ謡の 「月人男の舞なれば」のあとに
イロエが入ります。
このイロエは~~
廬生が月世界の男になったイメージなんでしょうか?
月の世界の男とは最高位のイメージなのかな?
皇帝よりも、もっと、もっと高く、最高頂点
まあ~そのような雰囲気を、ゆったりと、どっしりとしたスピードで
最初は舞台を左回りに動き、
そして真ん中で拍子を踏み込み、正面先に出て、
左袖を巻く型となります。
なんとなく威厳や威風をみせる感じです。
また右に回りながら「雲の羽袖を重ねつつ、喜びの歌を~~」となります。
今回の演出工夫は
本来「雲の羽袖を重ねつつ」がシテ謡で、
「喜びの歌を~」が地謡が謡うようになっていますが、
どうも稽古していて、うまく雰囲気が盛り上がらないので
「謡ふ、夜もすがら」まで全部シテが謡うことにしました。
さて、どんな風になるでしょか?
ぼ~~っとした、ゆったりとしたリズムから一変して
勢いよく、「夜通し歌おう!」とハイスピードになっていく・・・
そのあたりが今回の見どころですかね?
当日売りがあるのか、ないのか・・・・
すいません私関知しておりませんが、
皆様のご来場お待ちしております。
また読売新聞に、私の公演紹介が記載されましたが、
「能の見方について」林望氏の記載文をお薦めしたいので
ご紹介します。
ここです。
* 粟谷能の会・ニュース 「平成22年1月元旦の読売新聞 」 *
1月の粟谷明生の活動予定です、
すぐにメモして追っかけ精神をお忘れ無く!
1月 6日 (水)
国立能楽堂定例公演
能『邯鄲』置鼓・働 シテ 粟谷明生 国立能楽堂
1月10日 (日)
喜多流自主公演
能『羽衣』霞留 地謡 喜多能楽堂
1月17日 (日)
新年明生会初会
番外仕舞 『天鼓』 粟谷明生 青山銕仙会能楽研修所
1月24日 (日)
津山喜多会特別謡曲大会
番外仕舞 『玉葛』 粟谷明生 ベルフォーレ津山
1月6日(水曜日)に勤める、
国立定例公演『邯鄲』も近づいて参りましたので、
公演について投稿します。
今回は私にとって、国からの初依頼公演です。
つまり、はじめて国立能楽堂から依頼されてシテを勤めます。
日頃、粟谷能の会などで、国立能楽堂を拝借しているので、
本舞台自体に、違和感やまた特別な緊張感がある訳ではないのですが、
やはり個人主催の会と違い、国からの依頼ということで、
やや責任の重さは感じています。
この度の『邯鄲』は、置鼓と働の小書付きです。
置鼓には二通りの演出があります。
ひとつは今回やります、狂言方の小書で
一畳台の大屋台が置かれますと、アイの野村萬斎さんが、
置鼓(小鼓だけの単独演奏)で、枕を持って登場します。
ただ、それだけですが・・・・・
まあ、お正月なので正式な雰囲気を醸し出す効果としてはいいのかもしれません。
そして、今まで国立公演ではやったことがないようなので、
この際、記録に残しておいた方がいいだろう~
という、国立のお考えもあるんじゃないでしょうか。
さて、もう一つはシテ方による置鼓です。
これはシテの登場が小鼓の音取(単独演奏)となり
型も装束も替わります。
調べてみましたら、シテ方としてはあまり食指が動く演出ではないようです。
実は、依頼されたときに
「傘之出でやらせて下さい・・・」
と申し上げたのですが、
「置鼓があるので遠慮してほしい」
との返答でした、
それなら~~~~
「働(はたらき)」で~~
と再度お願いしたのが、働で、これは直ぐに承諾されました。
こんな経緯があったのです。
では、この働をご紹介しておきましょう!
シテ謡の 「月人男の舞なれば」のあとに
イロエが入ります。
このイロエは~~
廬生が月世界の男になったイメージなんでしょうか?
月の世界の男とは最高位のイメージなのかな?
皇帝よりも、もっと、もっと高く、最高頂点
まあ~そのような雰囲気を、ゆったりと、どっしりとしたスピードで
最初は舞台を左回りに動き、
そして真ん中で拍子を踏み込み、正面先に出て、
左袖を巻く型となります。
なんとなく威厳や威風をみせる感じです。
また右に回りながら「雲の羽袖を重ねつつ、喜びの歌を~~」となります。
今回の演出工夫は
本来「雲の羽袖を重ねつつ」がシテ謡で、
「喜びの歌を~」が地謡が謡うようになっていますが、
どうも稽古していて、うまく雰囲気が盛り上がらないので
「謡ふ、夜もすがら」まで全部シテが謡うことにしました。
さて、どんな風になるでしょか?
ぼ~~っとした、ゆったりとしたリズムから一変して
勢いよく、「夜通し歌おう!」とハイスピードになっていく・・・
そのあたりが今回の見どころですかね?
当日売りがあるのか、ないのか・・・・
すいません私関知しておりませんが、
皆様のご来場お待ちしております。
また読売新聞に、私の公演紹介が記載されましたが、
「能の見方について」林望氏の記載文をお薦めしたいので
ご紹介します。
ここです。
* 粟谷能の会・ニュース 「平成22年1月元旦の読売新聞 」 *
1月の粟谷明生の活動予定です、
すぐにメモして追っかけ精神をお忘れ無く!
1月 6日 (水)
国立能楽堂定例公演
能『邯鄲』置鼓・働 シテ 粟谷明生 国立能楽堂
1月10日 (日)
喜多流自主公演
能『羽衣』霞留 地謡 喜多能楽堂
1月17日 (日)
新年明生会初会
番外仕舞 『天鼓』 粟谷明生 青山銕仙会能楽研修所
1月24日 (日)
津山喜多会特別謡曲大会
番外仕舞 『玉葛』 粟谷明生 ベルフォーレ津山
コメント有難うございます。
脇正面ならば、昨日の演出はよかったでしょ?
普通は子方、大臣達がず~~っと脇正面側に座っているので、脇正面にお座りの皆様は見にくくて、よく愚痴をこぼされます。
昨日は、楽になる前に、地謡前に移動する演出にしたので、よくご覧になれたと思いますよ。
働の小書は、廬生が皇帝にも、いやもっと最高位の、月世界の人となり、有頂天のご満悦の極限状態みたいなものを表現したいと思い演じました。
3月に定家勤めます。
是非いらして下さい。
青年廬生から、皇女式子内親王にどう変身するかご覧頂きたいな~~
コメント有難うございました。
今回は国立からの依頼の第一回目、それも新年の幕開けの、第一番手として名誉な番組をお受け出来て、光栄に思っています。
緊張しながらも、自分なりに精一杯勤めさせて頂きました。
『邯鄲』は小書の傘之出になると演出も替わり、廬生の人間描写が深くなり、やや暗く陰な感じにて、本当に悟れたのかな?という感じで、私は勤めていますが、昨日のように普通の『邯鄲』は悟って~よかった、よかった!、
めでたし、目出度し!
がよろしいかと思い勤めました。
その方がお正月番組に似合うとも考えました。
二月は『青野守』三月は今年のメイン『定家』を勤めますので、またのご来場をお待ちしております。
事前にこちらを訪問していなかったのですが
(今までに無く?)月の光を浴びている様子が印象的で美しく感じられ、不思議な気がしていました。
知らずに観てもちゃんと伝わりますよネ。
勝手な解釈ですが
この能は、人生に悩みかけた中年(壮年?)の演者と見所に深く共鳴するものが有るように思ったりしました。
良い舞台はその都度観る側の様々な感情を引き出してくれるので面白いです。
脇の席で幸せでしたが、
国立の場合、記録ビデオに映り込む可能性があるのでお邪魔にならないか気にしてしまいました。
(*^-^*)
5列目で拝見しました。
一畳台の大屋台の上での動き、足元を確かめながら、上がったり、降りたり、飛び跳ねたり。
まだ、能を勉強し始めて間も無いので、生意気な事は言えませんが、新春公演らしい華が有り、見ごたえが有りました。