『三輪』のテーマの一つは「通い・辿る」です。
前回ご紹介したように、玄賓(ワキ)が里女(前シテ)の事が気になり住処を聞き訪ねると、男神の三輪明神(後シテ)が女の顔をして現れます。
明神は神代の昔物語は末世の衆生に悟りを与えるためのもの(衆生済度の方便)、と語ると、先ず大和に住む夫婦の話を始めます。
夫婦の女 . . . 本文を読む
『三輪』の紹介 その2
能『三輪』のあらすじを簡単にご紹介します。
三輪山に住む玄賓僧都(げんぴんそうず・ワキ)の庵に、三輪明神が里女(前シテ)に取り憑いて、樒(しきみ:仏前草木)と閼伽の水(あかのみず:仏前に供える水)を毎日供えに通っています。
里女は玄賓に取り次いでもらうと、僧に救済を求め、衣を一枚所望します。受け取って帰ろうとすると、住処 . . . 本文を読む