能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

粟谷明生の『松風』をご覧になる前に

2015-10-16 11:43:36 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
能『松風』二時間近い大曲ですが、一曲は三場面に分けられます。 最初、旅僧(ワキ)が須磨の浦の由緒ありげな一本の磯辺の松を見つけ、所の者に尋ねると、在原行平の愛した海女乙女の松風(シテ)、村雨(ツレ)の旧跡であると教えられます。旅僧が松を弔うと、幽霊の松風と村雨が静かに現れ、身の境遇を嘆きながら汐汲みを見せます。第一場面の最後はロンギ「憂しとも思わぬ潮路かな」ですが、ここで一旦終わるような構成にな . . . 本文を読む

能『松風』を父は・・・。

2015-10-16 06:37:50 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
能の番組は、1.神、2.男、3.女、4.狂、5.鬼の五番立に分けられ、3の女は三番目物と言われ、女性が主役で名作揃いです。代表曲は『井筒』『野宮』『楊貴妃』『江口』『湯谷』『松風』『半蔀』『夕顔』など他にもあります。 玄宗皇帝の愛人・貴妃の『楊貴妃』や光源氏を愛し、正妻・葵上に嫉妬する六条御息所の『野宮』。遊女でありながらも普賢菩薩の化身となる『江口』。これら高貴な身分の高い人物を対象とした作品 . . . 本文を読む