能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
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『求塚』前場の面について

2012-08-28 05:55:59 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
「能の鑑賞講座」(三宅譲 著)の『求塚』に貴重なことが書かれていた。 『求塚』前シテは「小面」だが、三代宗家・喜多宗能は「増女」でも、と。 菟名日処女はかわいい乙女のイメージではあるが、少し艶ある人であってもいいのでは、それなりの格式ある女ではないか、と思う。 謡本には前場のシテを単に里女として紹介しているが、私は紛れもなく、菟名日処女の霊の気持ちで演じている。同行のツレは菟名日処女に仕える . . . 本文を読む