大好き!本・花・旅

日ごろ読んだ本や花、旅について綴ります。

書評 自分以外は、バカの時代

2006-06-03 04:40:41 | Weblog
 この本も、タイトルのつけ方で、ベストセラーになったといえるだろう。最近の若者の他人を見下す傾向「他者軽視と仮想的有能感」のメカニズムが、最近の大学生、高校生のアンケートの分析から、実証的に描かれている。「日本人の感情、やる気はかわったのだろうか。」この傾向は、小学生から、高齢者まで、最近の日本人の心の特徴だという。若者の、負け組の「他者軽視」。IT社会の中で、人々は自分の対面を保つために、いとも簡単に周囲の見知らぬ他者の能力や実力を否定する。そのような他者軽視をすることによって、一時的にせよ、自分に対する誇りを味わうことができる。 仮想的有能感の種類や高齢者の「全能型」もおもしろかった。対策として、著者は、教育現場でのしつけの重要さと感情を交流できる場を創ることの大切さを訴えている。今、中学生の教育現場でも思いあたる指摘がとても多くあった。小学校での特活や道徳教育や学校行事の充実が急がれる。
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