ある時代小説を読んでいて小首をかしげた。
若い侍が年配の、しかも役付きの家中の者を「殿」と言う。
封建時代、尊称は上位から順に老、公、様、殿であったはずだ。
大老や老中は役柄だろうが、若年の藩主が就任しても呼び名が変わるわけではない。
ともかく、通常、敬称の呼び名は様と殿で、上位者を殿呼ばわりしないだろう。
ところで、書状では、この「様」にも区分があったようだ。位の高いほうから、永サマ、次サマ、水サマの3段階という。現代の様は、旁(つくり)の下は「水」を書くが、その水に替えて「永」や「次」にしたからだ。
他方、永サマ、美サマ、平サマの区別という史料もあった。どちらが本当かわからん。
面白いのは、様の字体によって差をつけたことだ。最上位は楷書体で、だんだん下位につれ行書体、草書体と崩し字になるということ。殿も同輩や軽輩によって崩し字になるようだ。
字の書き方で尊卑を示すとは面白い。
若い侍が年配の、しかも役付きの家中の者を「殿」と言う。
封建時代、尊称は上位から順に老、公、様、殿であったはずだ。
大老や老中は役柄だろうが、若年の藩主が就任しても呼び名が変わるわけではない。
ともかく、通常、敬称の呼び名は様と殿で、上位者を殿呼ばわりしないだろう。
ところで、書状では、この「様」にも区分があったようだ。位の高いほうから、永サマ、次サマ、水サマの3段階という。現代の様は、旁(つくり)の下は「水」を書くが、その水に替えて「永」や「次」にしたからだ。
他方、永サマ、美サマ、平サマの区別という史料もあった。どちらが本当かわからん。
面白いのは、様の字体によって差をつけたことだ。最上位は楷書体で、だんだん下位につれ行書体、草書体と崩し字になるということ。殿も同輩や軽輩によって崩し字になるようだ。
字の書き方で尊卑を示すとは面白い。