ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『春闘劇場』様変わり。

2015-03-27 06:36:31 | 日記
先だって上京した際、思い出のある劇場を新幹線の車窓から眺めました。
そんなせいでしょうか、
『危機の真相:今は昔の春闘劇場 脇役置き去りのベア』(浜 矩子・毎日新聞 3月21日)
の記事中、『春闘劇場』という文字に目が止まりました。

『春闘』
この言葉、かつての私にとっては、「春」と同義語であったかもしれません。
まずは、要求額が決められ、
各単産が、一堂に会する春闘総決起集会などが持たれ、
賃上げ交渉経過の経過・問題点などを記したチラシを日刊で発行、
「おはようございます」
の挨拶と一緒に組合員に手渡します。

もう、懐かしい光景でしかありません。
時代も、労働環境も、そして働く人の意識も変わりました。
だから、過去の春闘のカタチを礼賛することは致しません。

でも このところ、安倍政権になってからの春闘のカタチは様変わりしました。
浜矩子氏は上記の記事で次の様に述べています。
  ≪今期の春闘大芝居において、プロデューサー側は、主役級の役者たちへの
  大盤振る舞いを徹底した。
  この大盤振る舞い作戦には、それを振りつけした黒幕たちが存在する。

  黒幕集団は、実は春闘劇場の直接の関係者ではない。
  本来であれば、芝居の演目や配役などに口を出す立場にはない。
  だが、このところの春闘劇場は、もっぱらこの黒幕集団に振り回されっ放しである。
  どうも、いまや台本まで黒幕たちが書いている模様だ≫

そして、浜 矩子氏は続けます。
  ≪今回のような調子で、花形役者たちの出演料を上げてしまったら、
  興行全体の採算をどう取っていくのか。
  貴重な脇役たちの扱いは、どうなるのだろう。
  辻褄合わせのために、彼らのギャラは従来よりもさらに削られてしまうのでは
  なかろうか。
  あるいは、主役級への昇格を約束されていたのに、それが急きょ取り消しに
  なったりしないのか≫
と懸念し、
  ≪………近くの貧困問題などに、もっと目を向けてもらいたい≫
と結んでいます。

今年の春闘、定期昇給を含む平均引き上げ額は、前年より大きく上回ったと報じられています。
でも、大企業、中小とも2年連続の賃上げとなりましたが、
〈大企業と中小の格差は拡大した格好になった〉
と、報じられています。

かつては、というより私たちが春闘をした頃は、賃上げ額が決まって後、
「配分闘争」というのがありました。
賃金格差を抑えるため、賃金体系へも何等かの是正策を講じたのです。

数日前、労働組合の役員をしている後輩に会った際、憎まれ口を一つ叩きました。
「組合定期総会の主来賓は、安倍晋三?」と。

「年金生活者」の、衰え知らずの憎まれ口でした。
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2 コメント

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労働者の組合 (A.S(たわごと的オピニオンの))
2015-03-27 07:51:08
労働組合が労働者の生活のために戦った時代から、労働組合の幹部が労働者の要求を押さえ込んで会社の幹部になっていく時代もあり、やがて労働組合が実質的に消滅状態になって行き、組合に加入しないあるいは加入も出来ない労働条件になってしまうという、その結果、一部の高所得者といわゆる貧困層に区分される。資本の論理ですよね。区別化・差別化のどこが悪いなんて言ってた総理もいましたが、其の前後あたりからどんどん今へ繋がっていったいったような気がします。「皆が等しく豊かに暮らせる国」への志向がなくなったような気がします。何かを変えていかないと。この閉塞感が民主主義をも否定しないように有りたいのですが。
国民のたくさんの声がマスコミをも正しく動かせるか。もう、その時期は過ぎてしまったのだろうか。
圧倒的多数の労働者のその団結を出来ないようにしたある一部の労働組合組織の責任は重いと思う。
そうですよね。シャンシャン組合の総会ににこやかな相手側がおざなりの祝辞を宣べる時代は嘘の時代ですよね。
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Unknown (ゴマメのばーば)
2015-03-27 09:42:53
A.S(たわごと的オピニオンの)さま。
コメントありがとうございました。
いつも、“あの頃は”的発想になりがちな自分に気づかされています。
とにかく、今、ここから、しか歩めないわけで。

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