golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

ワーグナー「楽劇《トリスタンとイゾルデ》」フルトヴェングラー

2009-09-27 20:29:27 | Weblog
警察当局では「闇ケーキ」が暴力団の資金源になっているものと見て、流通ルートの解明を急いでいる。

遂にここまで来たか…。

隆志はふっと溜め息をついてテレビを消した。

そもそもの発端は、「メタボ対策基本法」だ。

高齢化社会での保険医療費を抑制し、将来も保険制度を維持する為、昨年から施行された新法。

日常から国民の健康増進を図り、疾病を低減させ、保険医療費支出を抑える狙い。

この法律ではメタボ認定者にメタボ識別ICカード「メタポ(metapo)」(注、「ボ」では無く「ポ」)を所持させることを定め、メタボ認定者の菓子類の購入を大幅に制限している。

これは、煙草販売機用の成人識別ICカード「タスポ」に倣ったものだが、更に進め、メタボ認定者の菓子類購入履歴がICに記憶されるようになっている。

メタボ認定者には、メタボ度、体重、その他各種検査値により、月初に規定のポイント(「KAKUZATO」と呼ばれる単位)が付与される。

メタボの程度により、例えば、100KAKUZATOが付与される人もいれば、30KAKUZATOだけの人もいる。

世間では、「ケーキが良い」、「ケーキが悪い」という言い回しも使われ出した。たくさんKAKUZATOポイントを貰った人はケーキが良いのである。

菓子類や糖分を含む食品にはすべてKAKUZATO量が明記され、これらを購入する都度、「メタポ(metapo)」に登録されている当月のKAKUZATOポイントから購入分が減算される仕組みである。

KAKUZATOポイントが無くなると、その月はもう甘い物は買えない。

勿論、家族や友人、知人間で甘い物を一緒に食べたり、融通し合うこともある。

しかし、この場合でも、メタボ認定者向けに配布された専用のリーダーにメタポ(metapo)を通し、KAKUZATOポイントをきちんと管理しておかねばならないのである。

親族であっても、甘い物の不正譲渡は厳禁されており、違反者には厳しい罰則が用意されている。

勿論、このメタボ対策基本法に関しては、国民の基本的人権を侵害するものとして猛反対もあった。

日本国憲法第25条1項―すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

この条項を論拠に、「メタボ対策基本法」は成立。

「健康な生活を営む権利」が「健康な生活を営むに義務」に曲解されている、国民の自由との関係で憲法違反との指摘も多い。

しかし、メタボ撲滅に対する国民の強い願いと、政府の保険制度維持に対する利害の一致がこれを押し切った形。

この法律により、メタボ認定者が甘い物を摂取する権利は大幅に制限されたのである。

しかし、誰しもが誘惑を自制出来る訳ではない。

ここに「闇ケーキ」も出現する土壌がある。

隆志が得たネットの裏情報によれば、公園などが闇ケーキ取引の場になることが多いらしい。

体形からメタボ認定者と推察される人に暴力団員が擦り寄って来る。

「良い『K』がありまっせ」、耳元で囁く。

余談ではあるが、本来CAKEであるから「C」のはずだが、何故か「K」と隠語されている。摘発を警戒して直接的な頭文字を避けたという説もあれば、最初に闇ケーキを扱い出した暴力団の組長が英語の綴りを知らなかったからという説もあるそうである。

さて、組員から声を掛けられたメタボ認定者は、「1?それとも9?」といった謎の言葉を返すことにより、闇ケーキ取引交渉が始まる。

「1」は苺ケーキ、「9」は栗のことで、モンブランの隠語だそうである。

「クリームましまし」(クリームいっぱい付けてよ)といった、どこぞのラーメン店を彷彿させる呪文が付加されることもある。

市販で数百円のケーキが、千円~数千円で闇取引されるのである。

この闇ケーキ取締りの為、警察に「麻薬Gメン」ならぬ「ケーキDメン」が組織されているらしい。

メタボな警察官を集めたこの部隊では、所謂おとり捜査で摘発を進めているようだ。

隊員のことを揶揄する、デカ長ならぬ「DEBU長」なる言葉もあるとのこと。

しかし、この闇ケーキは思わぬ副次的効果をもたらした。

それが、闇組織の大きな変貌。

覚醒剤などの極悪非道な印象を一掃し、ソフトなイメージに転換する絶好のチャンスと、ケーキの闇流通に乗り出す暴力団が続出。

確かに粗利は麻薬類に比べれば少ない。しかし需要は遥かに多く、いわば薄利多売が成立するのである。

ところが、今までの様な風貌、イメージではケーキの売買にそぐわず売上も伸びない。

この為、暴力団が大きなイメチェンを開始。

先ずは、団名を「イチゴ組」、「ピーチ連合」などに変え、代紋も苺や桃などのマークに一新。しかも、ピンクやオレンジなど優しい色使いで。

以前、「CI(Corporate Identity)」と呼ばれる企業などが理念やイメージを再構築するのが流行ったことがあるが、それに倣い「GI(Gang Identity)」という呼称も生まれた。
(GIと言っても「GIジョー」とは関係無い。また、筆者が何故そんな昔の玩具を知っているのかについても深く追及してはいけない)

言葉使いや物腰から改めなくてはと、組員を幼稚園や保育園に研修に派遣する組織も出現。

かくして、鋭い眼光の組員が、柔和な表情に大きく変容して行った。

いや、そもそも「組員」などという呼称も過去のもの。

昔でいうところの、構成員には「スタッフさん」、準構成員には「サポーターさん」などという新しい呼び名が与えられた。

極道が「極甘道」に変わった。

マスコミはこの動きをいち早く察知し、一般市民の脂肪を増やすことで資金を増やしていることから、「暴力団」という表記を「肪量食団」に変えた。

警察は当初、闇ケーキの摘発に力を入れた。

しかし、暴力団が平和的団体に変わった行くのを目の当たりにし、現状は黙認状態。

暴力団が先祖帰りするより、現在の平和的団体のままいてくれた方が治安がはるかに良いのである。

暴力団のみならず、暴走族、ヤンキーの方々なども皆ケーキに走ってくれたものだから、一般市民もこぞって喜んでいる。

唯一、私を含めたメタボ認定者だけがしわ寄せを食らい苦しんでいる。大好きな甘い物が自由に食べられないのみならず、闇物資は大変高額。

こんな中、私を震撼させる噂をネットで目にした。

甘い物規制に味を占めた政府は、次に激辛規制を画策している、というのである。

唐辛子に「カプサイシン税」という高い税を掛ける案が浮上しているとのこと。

甘い物にも激辛にも目がない私はこれから一体どうしていったら良いのだろうか…。

ルートヴィッヒ・ズートハウス(テノール、トリスタン)、キルステン・フラグスタート(ソプラノ、イゾルデ)、ブランシュ・シーボム(メゾソプラノ、ブランゲーネ)、ヨーゼフ・グラインドル(バス、マルケ王)、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン、クルヴェナール)、エドガー・エヴァンス(テノール、メロート)、ルドルフ・ショック(テノール、牧童、水夫)、ローデリック・デイヴィーズ(バリトン、蛇手)、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団、コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団(合唱指揮ダグラス・ロビンソン)(DOCUMENTS盤)

もし、ベルリン・フィルなら…。

歴史にイフは無い訳ですが、歴史的名演のイフをつい考えてしまいます。

フィルハーモニア管は超優秀なオケだと思いますが、この曲だけは是非ともベルリン・フィルで入れて欲しかった!

この時代のベルリン・フィルの重く暗い音色でこの全曲が録音されていたら、どんなにか凄まじい名演になっていただろう。

1940年代、終戦前の方が更に良かったかな?でも録音は悪くなるな。

色々考えてしまいます。

この激安DOCUMENTS盤、3年ほど前に4枚組なんと990円!(新品ですよ)で購入。

以前、ネットでDOCUMENTS盤はステレオプレゼンスが少し加えられているようで聴きやすくなっている、という様なことが書かれていました。

真偽のほどは分かりませんが、確かにモノラルの割りには少し立体的に感じます。

もしかしたら、ステレオプレゼンスのデメリットで音が少し軽くなっているのかな?

図書館で前にEMIの正規盤を借りたことがありますが、音に関しては余り良い記憶では無かったですが…。

他の復刻盤ならもっと重い音で聴けるのかな?

オーケストラがうねりにうねるフルトヴェングラーの素晴らしい指揮、フラグスタートの凄まじい熱唱など凄い名演ですが、オーケストラの音色故か録音故か、ちょっと不満も残るのは高望みし過ぎというものでしょうか?

陶酔と熱狂の極みの超々大好きなこのオペラ、他にベーム、ショルティしか持っていないので、マタイ受難曲と同様に少しずつ音源を集めて行きたい、またもっと頻繁に聴いて行きたいと思います。

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