まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。「まだまだ続きそうな「世界同時株安」ですが、どこの市場に投資したい?」では・・・
1位:日本株 25%
2位:中国株 20%
3位:インド株 12%
〃:世界株全般 12%
5位:ロシア株 8%
〃:アジア株 8%
〃:アメリカ株 8%
8位:ユーロ株 4%
となりました。思ったより分散されている感じですかね?どこの市場も下落したのでどこに投資してもいいとは思いますが、馴染みの深い日本株が1位となるのは予想通りですかね。2位に中国株、3位にインド株というのは、今のBRICSブームを反映した素直な結果だと思います。
意外なのは「世界株全般」や「アメリカ株」など、言っては悪いですが、ちょっと面白みのない市場がランクインしていることですね。もちろん時価総額の大きい市場に投資するのは「負けない投資」をするための鉄則です。中国やインドに投資することが「勝つ投資」とすると、その対極となりますね。中国やインドなどのホットな市場は、やはり常に「いつ売却するか」という視点が必要ですね。
今回の「同時株安」の直前までのように半年、上がりっぱなしという状況はやはり楽観的にすぎますよね。もちろん中国もインドも経済自体は順調に拡大していますので、今すぐバブルだとは言いませんし、全株売却する必要はないかもしれませんが、でも「できすぎだなぁ」と思えば、ある程度、売却して利益を確定してしまった方がいいと思います。それにより、下がった場合の追加購入の資金を確保できますしね。
逆に「世界株全般」や「アメリカ株」など時価総額の大きい市場や分散されている市場に投資するような場合は、じっくり買い続け、買ったら売らない「バイ&ホールド」の戦略がいいと言われています。売ると株価上昇のメリットを逃す可能性が高い、というわけですね。
自分の投資スタイルに合うかどうかという問題はありますが、やはりホットな市場だけでなく、「世界株全般」にも投資しておいた方がいいでしょうね。何より「バイ&ホールド」、つまり「買ったらほっとけ」という、初心者には極めて分かりやすい方法で、プロの投資家に勝てる可能性が出てくるからです。
投資の基本は「分散」。最近のパフォーマンスのいい市場にだけ投資するのではなく、投資先も分散することをオススメします。たとえちょっと面白みがなくても(笑)。まだの方はぜひ投票をお願いします。4月14日まで。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=252
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=163
さて今回は、「日興コーディアルのTOB」について。
--- Ginkou ---
日興株TOB、「成立」の見方広がる
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C16047%2018032007&g=MH&d=20070319
米金融大手シティグループによる日興コーディアルグループへのTOB(株式公開買い付け)について、株式市場では「成立する可能性が高い」との見方が広がっている。TOBを開始した15日以降、日興株はTOB価格の1700円を下回る水準で推移。大株主のみずほコーポレート銀行はすでに応じる方針を固めている。ただ、海外ファンドが応じるかどうかは不透明で、引き続き成否のカギを握っている。
シティがTOB価格を1350円から1700円に引き上げると発表した翌日の14日、日興株は1690円と値幅制限いっぱい(ストップ高水準)まで上昇した。15日には一時、1699円と1700円に接近したものの、1690円をはさんで売り買いが交錯。株価はTOB価格を一度も上回っていない。 (07:00)
〔 出典:日経ネット 〕
--- Ginkou ---
ニュースとしてはちょっと古くなってしまいましたが、シティによる日興コーディアルグループの買収がほぼ確実になってきました。TOB価格は1,700円。仮に日興株を100%買収するとなると1兆5,800億円になるらしいですね。莫大な金額ですが、これを10年で回収しようと思うと毎年1,580億円の利益が必要なわけで、昨年の純利益が880億円、その前が370億円ということで簡単に達成できるレベルではないですね。
仮に20年で回収しようと思うと毎年790億円。ウーン、これなら何とか・・・という感じでしょうか。それでも20年ですからね。もちろんインフレ率なんかを勘案するともう少し低い金額でいいのでしょうけれど、しかし企業買収というのは「賭け」に近いところがあるのは事実ですね。
とは言え投資金額を純利益だけで回収する必要はなく、株式市場がホットなときに売却すればPER=20倍(つまり株価が純利益の20年分)というのは、それほど突飛な数字ではありませんので、うまく回収できるかもしれません。たまたまグループの純利益が1,000億円くらいになったときに売却すれば、それなりに回収できるかもしれませんね。
そう考えると、そもそも株価が割高か割安かの基準になっている「PERが20倍」という基準自体が結構、リスクを取っていますね。今後20年間、その会社が現状並の利益を出すことを前提にしているわけですもんね。同じことを言っているにも関わらず、株だと「投資」と思えて、企業買収だと「賭け」のように思えてしまうのは、企業買収の場合は1社に多額の資金を投入することになるから、ですかね。そういう意味では1社の株式に多額の資金を投入している方は、まさに「賭け」をしているのと同じこと、なのかもしれません。
さて本題に戻って、今回の買収劇については「外資脅威論」や「ハゲタカ論」が出てこないのはなぜなのでしょう。
1.銀行ではなく証券会社だから
2.買収しようとしているのがファンドではないから
3.日興コーディアルに対するネガティブなイメージが定着したので今さら同情論が出てこないから
いずれも当たっているような気がしますが、これで本当に復活して、毎年1,000億円を超える収益をあげられるようになれば、やはり「濡れ手で粟だった」という話になるのでしょうね。何とも心の狭い話です(苦笑)。
ただ個人的には、みずほが買収して面白い金融サービスを出してくれるのか、あるいはファンドが買収して、まるっきり経営を新しいものに変えるのか、といった点を期待していましたけれどね。シティ+日興じゃぁ、庶民の筆者には関係ない話になりそうです・・・。
と言うわけで、今回の読者アンケートでは、「今回のシティによる日興コーディアルグループ買収に賛成?」で行きましょう。4月21日まで。
■シティによる日興コーディアルグループ買収に賛成?反対?(4月21日まで)■
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=254
★最新の銀行ニュース一覧はこちら
http://www.ginkou.info/modules/xfsection/index.php?category=2&orderby=createdD
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★2007年、読者が選ぶ銀行ランキング募集中です。投票はこちら
http://www.ginkou.info/modules/tinycontent/index.php?id=16
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★人気Blogランキング★
http://blog.with2.net/link.php/41491
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━