まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。「あなたの持っている金融資産の中で、中心となる商品は何?」では・・・
1位:円定期預金 44%
2位:外国株/外国株投信 20%
3位:円普通預金 17%
4位:外貨預金 6%
〃:国債 6%
6位:日本株/日本株投信 3%
となりました。圧倒的な1位はやはり円定期預金ですね。先日、お送りしたメルマガにも書きましたが、この円定期預金の人気は何なんでしょうね。ある意味、「お米」みたいなものなんですかね?そうはいってもこれがないと食事にならない感じ。
あるいは生ビール。「とりあえず、円定期!」という感じで(笑)。確かに余計な心配をせずに済むし、圧倒的な安心感はあります。また定番商品なので、「これを選んでおけば失敗はない」というような、ある意味、ユーザーに商品選択を放棄させるような魔力がありますね。
筆者は積極運用派なのでちょっと物足りない感のある結果ですが、とは言ってもみんながみんな積極的な運用をしたいと思っているわけではありませんし、みんながみんな資産運用に時間をかけたいと思っているわけではないのは理解できます。積極運用すると、そうは言っても最初はいろいろ調べないといけないわけで時間がとられます。アフター5や週末はフットサルに熱中している人がわざわざ資産運用を勉強する時間を作るでしょうか?週末のスキーの計画に心を奪われている人はどうでしょうか?恋人のことを四六時中考えている人はどうでしょう。英会話やフラダンスのレッスンに忙しい人はどうでしょう。
資産運用は、日本ではまだ「趣味」的要素がありますので、他の趣味に押されやすいというのはあるでしょうね。
また、仮に年5%の想定利回り!と言われても実際に安定的に5%が入ってくるわけではなく、むしろ10%増えたり10%減ったりしながら振り返ると平均では年5%だった、みたいなそんな世界なわけです。資産運用というのは。それなりの覚悟が必要だし、他の趣味と違って、いい思いだけでなく嫌な思いもしないといけないとなると、必然的に劣後するでしょうね。
さらに言えば、300万円を5%で運用できると年15万円の収入になるわけですが、正直、15万円のプラスを作るためには、節約するのがもっと簡単で確実です。週2回飲んでいる人は2週間に3回に減らすだけで、月で1万円近く浮くでしょう。タクシー帰りをやめてもかなり浮くでしょう。クルマの買い替えサイクルを3年から4年に延ばすだけでも年間数十万単位で浮くでしょうね。そういう人にとっては、何より節約というすばらしい資産形成の王道があるわけで、そちらを突き進むのに異論はありません。
ただし。
筆者は資産運用は「趣味」ではなく「義務教育」だと思っています。なぜなら、フットサルに熱中している人だって、スキーフリークだって、みんなお金が必要ですからね。お金の問題というのは誰にも共通なわけで、やはりそこはキッチリ勉強しておきべきだと思います。
さらに大切なのは複利効果ですね。運用は早ければ早いほどいいわけです。手許に100万円あるとしましょう。10年で2倍になる運用をしているとします。10年後に200万円です。大したことないですね。20年後に400万円です。無視できない金額になってきました。30年後に800万円です。大金ですね。40年後に1,600万円です。50年後に3,200万円です。60年後には6,400万円です。節約ならこうはいきません。60年後というのは相当先ですが、今、20代なら80代の話。当然、ありうる運用期間ですね。早ければ早いほどいいわけです。
というわけで筆者としては、日本での資産運用がもっと根付けばいいなぁ、と日夜思っているわけです。
では、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。3月20日まで。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=354
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=235
さて今回はマンション投資について。
--- Ginkou ---
マンション投資の失敗! その理由と問題点
http://money.jp.msn.com/investor/funds/columns/columnarticle.aspx?ac=2008022000&cc=03&nt=03
〔 出典:MSNマネー 〕
--- Ginkou ---
分かりやすい文章なので、それほど解説は必要ないとは思います。マンション投資についての問題点ですね。もちろん、マンション投資をすすめる会社が全て悪質であるというわけではありませんが、たまにポストに入っているチラシや、雑誌の広告などを見るにつけ「この投資利回りにだまされる人、多いだろうなぁ」と思っていたところですので、この文章は筆者には響きました。
ポイントとしてはこの文章では「金利変動の危険」と「購入価格の危険」の2点を挙げていて、全くその通りだと思います。
筆者が気になるのはもう一つ「投資利回りの危険」というものですね。この事例だと金利が2%のときに、こんな収支が説明されています。
「月間の資金収支計画は家賃収入が44万円、そこから管理費・修繕積立金と家賃回収代行手数料の8万円を差し引き36万円がAさんの預金口座に入金される。ローン返済は32万円なので、差し引き毎月4万円が手元に残ることになる。」
その後5%に金利が上昇して収支が赤字になってしまうわけですが、仮に2%の場合であっても大事なポイントが抜けています。それは建物価格の下落ですね。築10年→20年→30年と進むにつれて、当たり前ですが建物の価値は減っていきます。クルマと一緒ですね。クルマは10年経てば、まず値段がつかないでしょう。そういう意味ではクルマは年間10%程度価値が減っていくと言えます。
マンションの場合はどうでしょう?築30年の物件が販売されているのをほとんど見たことがありません。とすると単純に言えば年間3%くらい価値が減っていくことになります。とは言っても土地の部分の価値はそれほど減りませんのでザックリ毎年の価値下落を2%としましょうか。5年で10%の下落。しっくりくる数字ですね。
この事例の場合はマンションの購入価格は1億円。つまり2%ということは年間200万円の価値下落は織り込まないといけません。投資利回りは5.3%ということなので計算すると
家賃収入:530万円
管理費・修繕積立金と家賃回収代行手数料:-96万円
建物の価値の下落:-200万円
------------------------
合計:234万円
つまり1億円の購入価格に対して、実質的に約2.34%の利回りしかないことになります。そうすれば、ローンの金利が2%でもギリギリで、5%になれば赤字になることは誰にも明らかです。
この「建物価値の下落」という観点が、マンション投資勧誘のチラシだったり広告には一切書かれていません。はっきり言って筆者には詐欺としか思えません。公正取引委員会は一体何をしているのでしょうか?「マンション投資の広告の場合、試算として年2%の価値下落を織り込むこと」と定めてしまえばいいのです。
はっきり言って借入をして預金する人がいないのと同様に、借入をして投資をしてはいけないと思います。もしそれで収益が得られるならば、みんなそれをやっているはずです。そもそもそんな「確実に儲かるおいしい物件」を持ち主が手放すはずがありません。株式会社がそんなことをすれば、経営者は株主から株主代表訴訟を起こされるでしょう。
細かいことを言えば、空室率が0ということはないと思いますので、仮に空室率を10%とすると実質利回りは1.81%とさらに下がることになります。
・・・と理屈を言えばそうなのですが、世の中には確かに「善意の行動」もあふれていますので、ユーザーがコロっと騙されるのはよく理解できます。
こういう基本的な仕組みを理解するためにも、やはり資産運用の勉強って「義務教育」だと思いませんか?
現実的な対処方法としては、こんなサイトを運営しているから、というわけではないですが、やはり「素人は銀行で売っている商品しか買わない」という自衛手段も必要だと思います。不動産に投資したければJ-REITのファンドを購入すればいいわけですから。
さて今回の読者アンケートは「マンション投資について魅力を感じる?感じない?」でいきましょう。ちなみに自己資金で投資する分にはそこまで否定はしません。3月27日まで。
■マンション投資について魅力を感じる?感じない?(3月27日まで)■
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=356
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