まずは、前回の読者アンケートを振りかえってみます。「銀行員の平均給与は603万円ということですが、高いと思う?低いと思う?」では・・・
1位:高いと思う 53%
2位:能力次第 24%
3位:妥当だと思う 20%
4位:安いと思う 1%
となっています。1位は「高いと思う」でほぼ半数の投票となっております。銀行員の方は残念でございました・・・。ただまぁ、それもやむを得ないところでして、たまたま見たこちらの記事によれば、全世帯の平均所得は、イマドキ548万円なのですね。10年前から何と100万円も減少しております。
少子高齢化などの影響もあるのだとは思いますが・・・。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100823/215915/
またこういう所得とか年収とかの「平均」は、一部の高所得者によって実感よりも高くなりやすいこともあり、より実感に近いものとして「中央値」という考え方があります。これは最も低い人と、最も高い人から数えていって、「ちょうど真ん中」になる人がいくらか調べるというもので、より実感に近いものになるわけですが、その全世帯の「中央値」は約430万円くらいのようですね。
つまり世の中の全世帯の人が思い浮かべる「平均的な世帯収入」とは大体430万円くらい、と考えていいですね。もちろんこの中には上記のとおり、年金暮らしの世帯も含まれるわけで、サラリーマン世帯のみを取り出すとまた違った結果になるのでしょうけれど、とはいえ一般的な感覚から言って「銀行員の平均給与が603万円」ということが高いと思えるのは致し方ないことだと思います。
筆者自身は前回も書きましたが、他人の給料には比較的寛容でして、「能力次第」というところですかね。能力があればどんどん稼いで構わないと思いますが、稼いだお金は世のため・人のためにジャンジャン使って欲しいですね。みんなが出し惜しむと結局、「需要不足」ということになり、税金で無理やりお金を徴収され、官製の需要が創出されることになります。それは何としてでも避けたいですね(笑)。
あと経済的にあまりに困窮すると、どんないい人でも一定割合で不正を働いてしまうと思います。銀行窓口の人や外交の人が不正を働かないかどうか、いちいち気にするのもバカバカしいので、まぁ、やはり人並みの給料というのは必要なのかもしれませんね。
犯罪の抑止力という意味では、給料の多寡というよりは生活・収入の安定の方がよっぽど効果的なのかもしれませんが。
ちなみにこちらもたまたま見つけた、銀行員の給与に関する記事です。
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_93898
こちらは金融の本場、ウォール街での新規採用された銀行員の平均月給ですが、1万1,759ドル=約100万円ということですね。つまり平均給与は1,200万円ということになります。しかもこれは月給だけですので、ボーナスも含めればさらに増えることになりますね。
アメリカのボーナスは日本ほど多くはないと思いますが、仮に年収の20%とすると、ボーナス込の年収は1,440万円ということになります。はぁ~と、ため息が出そうですね(笑)。
記事の中で少し面白かったのがこのくだりですね。
・1970年代にはバンカーの給与は他の人たちと大きくは違っていなかった。規制緩和とこれに続く金融革命の中で、バンカーの給与は上昇を始めた。(中略)2006年の時点ではバンカーの給与は他のすべての職業の平均を約72%も上回った。
お金がお金を生み、裏方であるはずの金融が、実業を離れて1人で肥大化していった歴史を象徴しているようです。確かに金融が産業の血液であり、裏方なのだとすると、その金融機関の給料が他の業種より高いのは違和感があるところと言えるのかもしれません。
さすがに給料を返上すべきとは思いませんが(笑)、やはり繰り返しになりますが高給取りの人は、世のため・人のためにジャンジャンお金を使って欲しいですね。
では、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=614
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=448
さて今回は、住友信託銀行と中央三井信託銀行の合併に関するニュースについて。
--- Ginkou ---
中央三井・住信、返済重し 統合最終合意 時期示せず
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100825/bse1008250503000-n1.htm
中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行は24日、来年4月予定の経営統合計画について最終合意したと発表した。計画では2015年度に約560億円の増益効果を見込み、最終利益2200億円の達成を目指す。ただ、中央三井に投入されている約2000億円の公的資金については返済時期を示さず、課題が積み残された格好となった。
両社の統合比率は中央三井1に対して住友信託1.49とする。設立する新持ち株会社「三井住友トラスト・ホールディングス」の社長には中央三井の田辺和夫社長、会長には住友信託の常陰均社長が就く。
統合後の経営戦略は独立系信託銀行として銀行業務から資産運用・管理、不動産業務に至る幅広い業務を展開。15年度には、投資信託販売や住宅ローンを担当する営業職員を増員することなどで約280億円の増収を見込むとともに、重複店舗の削減や新規採用の抑制などで約280億円のコスト削減に挑む。
15年度の連結実質業務純益の目標値は、10年度予想の両社の単純合算値よりも1700億円多い4600億円に設定。連結最終利益の目標も950億円増の2200億円とした。
新グループは企業年金受託残高などの主要指標で、信託業界1位になる見通し。最終利益では、大手銀行4位のりそなホールディングスの1350億円(10年度予想)に匹敵し、メガ信託銀行グループが誕生する。
ただ、中央三井は1999年に投入された公的資金を完済できておらず、発行済み株式の30%を保有する整理回収機構が筆頭株主だ。返済するには、中央三井の株価が整理回収機構の取得価格である400円を上回る必要がある。しかし、足元の株価は312円で、返済の見通しは立っていない。中央三井の田辺社長はこの日の会見で「公的資金はできるだけ早く返済したいが、株価が上がらないと困難」と述べ、これまでの立場を繰り返すだけだった。新グループは“重荷”を抱えたままの船出となる。
〔 出典:産経BIZ 〕
--- Ginkou ---
最近、新生銀行とあおぞら銀行、キリンとサントリーなどの統合話が消えたわけですが、こちらは無事に最終合意したようですね。中央三井信託銀行と住友信託銀行の統合計画です。
ただまだ「合併」とまではいかないようで、とりあえず来年4月にできる「三井住友トラスト・ホールディングス」に2つの銀行をぶら下げるというものですね。もしかすると、いつ合併するのかというのも発表されているのかもしれませんが、銀行の合併にはシステム統合という大きな壁が待ち受けているわけですから、本当に1つの銀行になるには数年はかかるでしょうね。
統合後の計画としては2015年度には、つまり5年後には
・投資信託販売や住宅ローンを担当する営業職員を増員することなどで約280億円の増収を見込む
・重複店舗の削減や新規採用の抑制などで約280億円のコスト削減に挑む
ということで、これだけで差し引き560億円もの利益を増やすということです。確かにコスト削減の効果は見込めると思いますが、前者の「投資信託販売や住宅ローンを担当する営業職員を増員する」ことで利益を増やすことは可能なのでしょうか?
2つの銀行で重複している間接部門はたくさんあるわけで、それらの人材をあまりリストラせず有効活用していこうとなると、営業職員に回して売り上げを伸ばしていってもらう、というのは分かりやすいプランではありますが、とはいえマーケットは恐らくあまり拡大しないと思いますので、営業職員を増やせば利益が伸びるというほど単純なものではないと思います。
まずはやはりコスト削減効果である280億円を期待するということになるのでしょうか。それでも今年度の両社の単純合算値である最終利益1,250億円から22%増益になるわけで、株価も単純に言えば22%上昇します。つまり中央三井信託銀行の株価で換算すれば312円から380円になるわけで・・・これだとまだ公的資金は返済できなさそうですね(笑)。
正直、新聞記事から推察して書いてますんで(すんません)、的外れなことを書いているかもしれません。後で両銀行の発表資料などにも目を通しておきたいと思います。
しかし日本の銀行業界というのは変わったところでして、大手の銀行はどんどん統合されて数が少なくなっていく。昔は大手銀行となると20以上(!)あったと思いますが、今やグループで言うと6グループ、銀行で言うと8行ですね。それが今回の統合→合併により、5グループ、7銀行になるということで随分減ったものですねぇ。
一方でそれより下位の地方銀行や地域金融機関になると一向に減らない。少しは減っているのかもしれませんが、それでも1割とか2割のレベルなのではないですかね?数えたことはありませんが・・・。
結局、大手銀行にとっては、市場だったり、金融当局だったり、競合相手との競争が一定の「淘汰圧」になっている一方で、地域金融機関にはそういう「淘汰圧」がそれほどかからないのでしょう。
一昔前であれば多くの地域金融機関が成長から取り残され、最終的には淘汰されるという筋書きがまことしやかに言われていたわけですが、実際にはどっこいしぶとく生き残っております。
競争によりどんどん統合されていった方がいいのか、それとも意外に、何もせずひたすら待った方がいいのか、どちらがいいのでしょうね?教科書どおりにいかないところが、経済の面白いところであります。
しかしながら、ユーザーの視点から言うと、大手銀行の数が減ってよかったことというのはあまりなさそうですね。統合効果はどちらかと言うと経費削減に現れてきますので、支店の数が減ったり、ATMが少なくなるなど、利便性が低下する面が大きそうです。
もちろん、それにより利益が増えるわけですから、その分、金利を上げたり、手数料を下げたり、と言った顧客還元を期待したいところですが、ではメガバンクの利便性が、経営統合により上昇したかと言うと決してそうではない。
むしろ統合で安心してしまって、顧客還元がおろそかになっていると思えるのは筆者だけですかねぇ。
新しくできる「三井住友信託銀行」(仮称)には、ぜひコスト削減だけでなく、利便性向上などの顧客還元を強く期待したいところですね。公的資金を返済するまでは難しいのかもしれませんが・・・。
では今回の読者アンケートは、「バブル崩壊以降、大手銀行の経営統合が脈々と続いていますが、経営統合により顧客サービスは向上したと思う?」でいきましょう。9月25日まで。
■バブル崩壊以降、大手銀行の経営統合が脈々と続いていますが、経営統合により顧客サービスは向上したと思う?(9月25日まで)
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=616
人気blogランキングへ(別ウィンドウ)
>>>間違いだらけの銀行えらび ~ 銀行.info<<<
思い立ったら、今すぐこの場で資料請求!
口座開設+入金するだけで3,200円
楽天証券
好金利適用中。海外送金/海外ATMなら
シティバンク銀行
いつも高水準の円定期
オリックス信託銀行
口座サービスランキング1位
住信SBIネット銀行
FXランキング1位。圧倒的なローコストで外貨取引を楽しむなら
トレイダーズ証券
証券会社ランキング1位
SBI証券
証券会社ランキング2位
マネックス証券
気になる円預金・円定期預金の金利はここでチェック!
円預金・円定期預金 金利比較一覧
気になる住宅ローン金利はここでチェック!
住宅ローン金利比較一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★最新の銀行キャンペーン一覧はこちら
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★みんなで選ぶ!★2010年、読者が選ぶ銀行ランキング募集中です。投票はこちら
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★人気Blogランキング★http://blog.with2.net/link.php?41491