まずは、前回の読者アンケートを振りかえってみます。「菅総理のリーダーシップで法人税の5%減税が決まりましたが、あなたは賛成?反対?」では・・・
1位:賛成 38%
2位:反対/財政再建の全体像が見えないから 25%
3位:反対/財源が決まっていないから 12%
4位:反対/日本の成長力回復につながらないから 7%
〃:反対/企業ばかり優遇するのは不公平 7%
6位:反対/ますます財政が悪化するから 2%
〃:反対/その他の理由から 2%
〃:その他
となっています。1位は「賛成」で約4割の得票になっておりますね。筆者自身も気になる点は多々ありますが、総論から言えば賛成です。これで日本経済が活性化され、最終的に税収が増えれば言う事はないわけですが、どうなるでしょうか?
特に株価が上がればいいですよね。普段は節約しがちな人でも、株価上昇によって得られた収益は「不労所得」ということでパーっと使う人も多いと思います。お給料も、株の利益も、どちらも同じお金はお金なわけですが「別腹」ということなのですかね。
もちろん今の日本経済にとって、絶対的に足りないのは需要、つまり消費ですから、みんながお金をパーっと使えば景気が良くなるのは間違いありません。
それこそ菅総理が、「みなさん、月5万円(?)でいいので無駄遣いしてください。そうすれば消費財は上げなくてすみます。」と言えば、「おぉ、そうか、どうせ税金で取られるなら自分で使おう。」と思うかもしれません。経済というのは、それが持続可能なのかどうか、エコであるかどうかは置いておいて、どこまでも「消費は美徳」であります。
ただ問題は、今の税収が40兆円のところ、政府の支出が90兆円を超えるわけですから、単純に言えば「月5万円の無駄遣い」では全く足りませんね。恐らく月20万円くらい無駄遣いしないといけないのではないでしょうか。そう考えればやはり税率を引き上げるしか方法はなさそうです。
少し話がそれましたが、1位は「賛成」でしたが、この得票が4割ということは、残念ながら残り6割は「反対」ということで、全体としては「反対」する人が多い、という結果になっております。
反対している人の中で最も多い理由は「財政再建の全体像が見えないから」。次に「財源が決まっていないから」、ということでやはり財政の悪化に強い懸念を抱いている人が多いことがわかります。
筆者は冒頭、総論では賛成と書きましたが、この財政悪化に対する懸念には強く賛同します。民主党に政権交代する前後から、みなさんずっと、財政再建について期待されていますよね。全くもって同感であります。今のところ、何の成果もありませんが・・・。
何度か書きましたが民主党のマニフェストはあくまで「財源をしっかり見つけて、そこからバラまきます。」というものでした。マニフェストを修正するかしないかが、与野党間で大きな争点になっていますが、そもそも前段の「財源をしっかり見つける」という点が全く達成されていないまま「バラまき」だけが先行している現状は、明らかに公約違反です。
そろそろ真摯にマニフェストの「財源問題」について総括してほしいものです。
筆者が期待するのは、この法人税減税を契機に、財政再建の議論が一歩前に進むことですね。前回のコラムで書いたことをそのまま引用するとこういうことです。
話としては「社会保障をどう考えるか」に尽きますね。なぜなら財政支出の大半は社会保障関連だからですね。社会保障とは、年金や医療費などです。つまり主に高齢者にお金が流れているわけです。そして高齢化が進んでおりますから、今後、財政支出は増える一方ですね。
結論から言えば、収入を増やし、支出を減らすしかないでしょう。特に高齢者にしわ寄せが行くのはやむをえないですね。消費税や相続税を増やすことで収入を増やす一方、年金や医療費を削ることで支出を減らす以外に道はありません。
そしてもちろん、そこには我々国民の責任感のある主体的な理解が必要ですね。残念ながら世の中にはウマイ話はありません。多分。
法人税減税という、自民党政権ができなかった大きな一歩を踏み出した菅政権。どっちにしたって支持率の上昇は期待できませんし、次回の選挙でボロ負けするのは必至です。
であればいっそ菅総理は、消費税率アップ、相続税率アップ、TPP推進、普天間移設などの不人気施策を一気に推し進めて、歴史に名を残すことに挑戦してもいいのではないでしょうか。
となると衆議院で2/3が必要で、そうなると「小沢切り」はやめたほうがいいのですかねぇ。どちらにせよ野党の協力は得られないでしょうし。
では、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=650
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=484
さて今回は、2011年の株式相場展望について。
--- Ginkou ---
【11年日本株話題】資金潤沢で増配やM&A増加も、政治改善期待
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=anyKQ46SPZa8
2011年の日本株の話題として市場関係者らが候補に挙げるのは、企業による「手元資金の有効活用」と波乱含みの「政局」だ。経営環境の改善に伴い、企業は増配などの株主還元のほか、M&A(合併・買収)など業容拡大に向けた動きを活発化させる見通し。政治については、変化への期待が出ている。
足元の業績回復に加え、リーマン・ショック後の不透明な経営環境で企業は資金の内部留保に努めてきたため、手元資金が積み上がっている。日興コーディアル証券によると、東証1部上場の3月決算企業のうち、四半期ベースで継続的にデータを取得できる1153社の「現金・預金」残高は、08年7-9月期の42兆8554億円を底に増加傾向。10年7-9月は50兆4782億円となっている。
日興コーデ証・国際市場分析部の小林久恒部長は、11年に予想される企業の経営行動は、「自社株買いや増配といった株主還元に目を配ることと、増産・増販投資やM&Aなどを通じて業容を拡大させ、本格的な業績回復につなげることにある」と指摘した。
東証1部上場企業の10、11、12年度の経常増益率を47%、12%、8.4%と見込むUBS証券の平川昇二チーフストラテジストは、収益の増加基調を考慮すれば、「設備投資の先行指標である企業のキャッシュフローは当面、前年比での増加傾向が続くと予想され、設備投資の拡大サイクルが日本の景気、株価をサポートする」との見解だ。
同氏はまた、財務体質の好転や負債コストの低下などで、「日本企業でもリレバレッジ(再借り入れ)が重要な投資テーマになり得る」とし、M&Aを含め本業の成長につながる投資が増えるとみている。
法人税減税やTPP、政界再編の可能性
一方、エコカー補助金に続き、家電エコポイントが来年3月末に終了する予定であるため、政策効果のはく落による経済の落ち込みが警戒されるところ。こうしたなかで菅直人首相は12月、政府の「新成長戦略」に基づき、実効税率が約40%と世界的に高水準にある法人税を、来年度に5%引き下げることを決めた。
野村証券金融経済研究所の岩澤誠一郎チーフ・ストラテジストは、法人税減税は基本的に純利益の増加につながり、企業の競争力強化や海外資本の日本への流入を促進する可能性があり、「日本株市場にポジティブ」としている。
「平成の開国」とのキャッチフレーズで、菅首相が積極的に取り組む考えを示した「環太平洋連携協定」(TPP)の参加にこぎ着けられるかどうかも要注目だ。政府は、来年6月をめどに農業改革の基本方針をまとめるのに合わせ、TPP交渉参加の是非を決める意向。
TPPは関税撤廃が原則で、農業団体などの反発が強い。農林水産省は米や小麦など主要農産品19品目について、全世界を対象に関税を撤廃し何の対策も講じない場合、関連産業も含め国内総生産(GDP)は年間7兆9000億円程度(実質GDPの1.6%)減少すると試算する。一方、内閣府の分析によれば、日本がTPPに参加した場合は、輸出拡大が生産や設備投資などの増加を促し、実質GDPが2.4兆-3.2兆円(0.48-0.65%)増えるとされ、グローバル企業が恩恵を受けそうだ。
大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、グローバルな規制緩和のTPPへの参加について、「日本企業の海外での競争力向上につながるメリット」を強調。現内閣では実現困難とみられているだけに、「逆に実現したときの相場へのプラス効果は大きい」と話す。
このほか、来年4月には統一地方選挙が予定されている。その前哨戦と位置付けられた12月の茨城県議選では、政権与党の民主党が惨敗。年明け早々の11年度予算案審議を見据え、衆参両院の多数派が異なるねじれ国会の行き詰まり感が強まっている。
「与野党とも支持率が低レベルできっ抗している状況で、政界大再編に期待したい」と、話すのはアイエヌジー投信の王子田賢史インベストメント・マネジャー。政界再編により、年金や医療財政の問題などで劇的な構造改革に踏み込む体制に変われば、タクティカル(短期の戦術的)に日本株を買っている海外投資家が、05年の郵政解散後のような腰の入った買い姿勢に変わる公算が大きい、と予測する。
(以下略)
〔 出典:ブルームバーグ 〕
--- Ginkou ---
いよいよ2010年もあと数日となりましたね。今日が今年最後の更新になると思います。しかし1年はあっと言う間ですね。来年こそ、しっかり計画を立て、もっと充実した1年としたいものです・・・。
さて2010年を振り返ると投資全般としては「足踏みの1年」でございました。日経平均で見るとこんな感じですね。
■日経平均チャート(5年)
昨年の終値が10,546円で、昨日(12月28日)の終値が10,292円。あと250円!という感じですが、ちょっと難しいですかね。
ただ昨今の空前の円高の影響を考えれば、株価が維持されただけでも御の字という面はあるかもしれません。ドルベースで考えれば日経平均も当然、上昇しております。
一方、世界はどのような感じかと言いますと、円ベースで見れば先進国の株価はほぼ横ばい、新興国の株価はやや上昇と、やはり新興国の好調さが目立った1年でありました。
で、気になる投資成績ですが、当サイトで公開しているこちらの運用資金は・・・
http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=483
・2009年12月:389万5,474円
↓
・2010年12月:406万0,342円
となっておりまして、1年を振り返ってみれば20万円近く増加しておりますね。増加率は年4.2%というところです。「足踏みの1年」という状況の中では、まぁ、まずまずですかね。
で、気になる2011年の日本の株式相場の動向ですが、上記記事ではまず、企業の手元にある50兆円に上る「現金・預金」がどう使われるかがポイントになる、と指摘しております。
今の円高状況ではM&Aも有効な手段だとは思いますが、ただM&Aの多くは失敗しますからね。ここは素直に「自社株買いや増配といった株主還元」の方がいいような気がします・・・。
それから指摘しているのが、以下のような政治の動きですね。
・法人税減税は基本的に純利益の増加につながり、企業の競争力強化や海外資本の日本への流入を促進する可能性があり、「日本株市場にポジティブ」。
・「平成の開国」とのキャッチフレーズで、菅首相が積極的に取り組む考えを示した「環太平洋連携協定」(TPP)の参加にこぎ着けられるかどうかも要注目だ。政府は、来年6月をめどに農業改革の基本方針をまとめるのに合わせ、TPP交渉参加の是非を決める意向。現内閣では実現困難とみられているだけに、「逆に実現したときの相場へのプラス効果は大きい」と話す。
・「与野党とも支持率が低レベルできっ抗している状況で、政界大再編に期待したい」。政界再編により、年金や医療財政の問題などで劇的な構造改革に踏み込む体制に変われば、タクティカル(短期の戦術的)に日本株を買っている海外投資家が、05年の郵政解散後のような腰の入った買い姿勢に変わる公算が大きい。
そう、やはりTPPや、財政再建を含む構造改革が、株価上昇の大きな要因となりうる点を指摘しております。残念ながら「現内閣では実現困難とみられている」という点が悲しいですが・・・。
政治頼みの風潮には強い違和感を覚える筆者ではありますが、TPPにせよ財政再建にせよ、これらの実現には政治頼みでは不可能です。ましてや政治家頼みでは無論、実現できません。われわれ国民1人1人の主体的な判断や行動が必要ですね。
日本人の国民性からすれば、危機が表面化してから、あわてて方向転換する方が得意なのかもしれませんが、危機が表面化するまで何ともいえない不安な日々をすごすより、とっとと対処したほうが精神衛生的にはいいような気がします。
果たして2011年にはポジティブサプライズがあるのでしょうか?
ただベースとしては、世界経済は踊り場を抜けつつあるように感じますので、株式投資に限って言えば、大幅に下落する可能性の少ない投資しやすい1年となるのではないでしょうか。
では今回の読者アンケートでは、「2010年は記録的な円高が進み、株式相場としては足踏みの1年でしたが、投資で儲かった?それとも損をした?」でいきましょう。1月29日まで。
■2010年は記録的な円高が進み、株式相場としては足踏みの1年でしたが、投資で儲かった?それとも損をした?(1月29日まで)
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=652
みなさまのご利用に支えられ、今年も1年、無事にサイトを更新し続けられることができました。深く御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。みなさまにとって2011年が、最高の1年となりますように!
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