まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。「<複数選択可>冬のボーナス、何で運用する?」では・・・
1位:定期預金 35%
2位:外貨預金、FX 11%
3位:普通預金で様子見 8%
〃:外国株・外国株投信 8%
〃:外国債券・外国債券投信 8%
6位:国内不動産・国内不動産投信 6%
〃:海外不動産・海外不動産投信 6%
〃:冬のボーナスはない 6%
9位:日本株・日本株投信 4%
10位:ボーナスは使い切るので運用しない 2%
となりました。想像通り、やはり定期預金が1位となりましたね・・・。しかも断トツの1位になっています。株価も冴えないし、為替も大きく動いているし、消去法で定期預金が残った、そんな感じでしょうか。
一方で安定的な中長期運用に適した個人向け国債には一票も入らなかったことを勘案すると、中期的な金利上昇を諦めたわけではない、とは言えそうです。「円普通預金で様子見するだけ、と言うのは芸がないし、とは言え、金利は上昇すると思っているので、長期で金利を固定したくはない。そうすると1年ものの円定期くらい、やっておきますかね。」と言うような感じなのではないですかね。
したがって定期預金は定期預金でも1年ものを中心としたあまり期間が長くない定期預金に興味が集まっていると思います。実際、最近取り上げた新生銀行やソニー銀行、住信SBIネット銀行の1年もの円定期も、ユーザーのみなさんからかなり高い評価をもらっています。これらもそうした理由から、と言えそうです。
あとは、2位に外貨預金・FXが来ているのも面白いですね。この数ヶ月で大きく円高に振れる一方で、足元では急ピッチで円安に戻っていっております。水準として以前より円高で、とは言えトレンドとしては円安になっている、となると外貨に投資したくなる気持ちが高まるのは当然と言えば当然ですね。また新しい商品である為替証拠金取引=FXの人気も広がりつつあるようですね。そうしたことを背景に注目されているのでしょう。
反対に勢いを失っているのが投資信託ですね。もっと勢いがないのが日本株(笑)。笑っている場合でもないんですがね。去年のランキングと比較すると顕著で、投資信託全体で去年の43%→32%に下がっています。このあたりは株価が全般として本格的に戻らないと盛り上がらないところなのでしょう。とは言いつつ足元では、株価はかなり改善されつつあります。1~2ヵ月もして、夏の水準まで戻せば、また勢いが出てくるのですかね。
筆者は円定期預金などは一切やらず、ひたすら投資信託に投資していますので、ちょっと寂しいですけれど(笑)。
では、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。1月19日まで。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=330
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=225
さて今回は、その投資信託について。
--- Ginkou ---
11月末の株式投信残高、3カ月ぶり減・市況悪化で運用減最大
投資信託協会が13日発表した11月の投資信託概況で、11月末時点の公募株式投信の純資産残高は65兆4447億円と、過去最高となる69兆684億円を記録した10月から3兆6236億円減少した。減少は8月以来、3カ月ぶり。世界的な株式市況の悪化などに伴う運用減が4兆3620億円と、バブル経済崩壊期の1990年9月の3兆9532億円を上回って過去最大の減少となったことが響いた。設定額から解約・償還額を差し引いた資金流入額は7383億円と、2003年8月以来4年4カ月連続の流入超となった。
11月の株式相場は、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とした景気減速懸念や金融機関の信用不安などで、世界的に調整色の強い展開。株価下落に加え、円相場の上昇基調も運用減につながった。〔NQN〕
〔 出典:日経ネット 〕
--- Ginkou ---
投資信託の人気がやや陰っているのでは、というのは上述の通りですが、それを裏付けるようなニュースがこれですね。11月末の投資信託の残高が約65兆円ということで、10月の約70兆円から大きく減少した、ということです。正確には4兆4千億円減少したわけですが、これがまたなかなかセンセーショナルな表現ですが、バブル崩壊時を上回る過去最大の減少だそうです。
減少率とすれば約70兆円分の約4兆円ということですから、6.3%というところです。決して低いとは言いませんが、為替だけでも米ドルで言うと115円から110円くらいまで下落していますし(4.3%)、日本株で言うと16,700円から15,300円くらい(9.2%)、世界株全体でも1880ポイントから1700ポイントくらいまで下落しています(9.6%)。そうなると、投資信託全体で6.3%減少したのは当然と言えば当然ですね。
相場ですし、動きときは動きます。特にこの時期はサブプライム問題が「得体の知れないもの」として市場全体が恐怖に包まれていた感がありましたから、なおさらですね。
一方で資金流入自体は引き続き、そんな相場環境でも7千億円を超える流入があったそうで、流入超である状態は4年4ヶ月連続ということですね。投資信託への関心はまだまだあると言えるでしょう。そんな筆者も何度も書いていますが、ドルコスト平均法ではないですが、相場の上がり下がりにはあまり目もくれず、ほぼ毎月一定額、投資信託を買い続けています。正確に言えば「相場の下がりにはあまり目もくれず」ですね。もっと正確に言うと「相場の下がり時には特に投資信託を買うようにしています」ということなんです。
最近ではなるべく相場を読まないようにしていますが、ただベースの認識としては「世界経済は引き続き極めて良好な状態である」という認識をもっています。特に新興国やアジア、ユーロ圏など多極的に経済が良好に推移している点は心強いです。もちろん経済環境が良好であれば企業収益も大きく伸びます。この時期に企業を買う=株を買うというのは正しいと思います。
実際、世界の株価も10年単位で見ると2003年を底にして4年以上上昇を続けています。サブプライム問題だなんだと騒がれて相場が下落するタイミングは絶好の買い場と言えるでしょう。一方でずっと上昇してきた世界の株価がどこかで下落することは十分ありうると思いますので、債券ものもそれなりに投資しています。ただそれは、世界経済全体が失速する時であって、筆者にはサブプライム問題によって世界経済が失速してしまうとはどうしても思えません。
またもう一つのベース認識として「日本円は長期的に下落していくだろう」と思っています。日本が長期的に衰退していく、と書くとやや破滅的ですがそうではなく、今までが出来すぎで、もう少し他の通貨と比較して平均値に近づいていくのではないか、と思っています。他の先進国の通貨と比較すると、もうそれほど「円は強いなぁ」と思うことはないですが、他のアジア諸国と比較すると、「まだまだ円は強いなぁ」と感じると思います。そういう不均衡はやはり長期的には是正されていくのではないか、ということですね。資本主義経済とはまさにそういうものです。
従って、あまり短期的な相場の変動にうろたえることなく、淡々と色々な資産に投資しています。
さらに言えば、筆者の投資スタイルは完全な「長期投資」です。投資の世界の常識として「長期で保有すればするほど価格変動による差はなくなっていく」ということになっています。つまり今年で言えば、7月に投資した人と11月に投資した人では今のところ損益に大きな差が出ていますが、でもこれを5年保有すると差はかなりなくなり10年保有するとほとんど差はなくなります。そうなる可能性が極めて高い、ということです。要は10年とかの長期で投資する人には、短期的な相場の変動はほとんど全く関係ないので一切気にしなくていい、と言えます。極論を言えば。
ということで、淡々と投資を続けているのが最近の筆者の投資スタイルとなっています。はっきり言って、ちょっと「枯れちゃっている」感じですね。スリルもくそもありません。それが面白いかどうかは意見が分かれるところでしょうが・・・。
そんな筆者の今年の損益を振り返ってみると、トータルリターンとしては約4%のプラス、ということになっていました。みなさんに公開しているこの資金だと、約3%のプラスですね。決して満足のいくリターンではないですが、赤字ではありません。日経平均が大きく下落し、為替も大幅に円高に振れた今年でも、実は世界経済に分散して投資しているとプラスになっているんですね。ちなみに本当は中国株の大暴騰の影響が大きいんですけれどね(笑)。
■実況中継!自腹で資産運用(12月)
http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=226
奇しくも、今月のマネー雑誌「ZAI」を読んでみたら、読者アンケートで、今年のリターンがプラスの人が60%という記事がありました。60%が多いか少ないか、というのは意見が分かれるところだと思いますが、世界に分散していればプラスになる可能性が高まることを考えれば、やはり少ない、というのが筆者の実感ではあります。上記の運用の例では特にみなさんが目をむくようなテクニックは一切ありません。分散してほぼ放置しているだけですからね。
「11月の投信残高の減少が過去最大」なんて扇動記事(?)を読んで、少し資産運用について考えて見ました。
さて今回の読者アンケートも同じく、「今年のあなたの資産運用のトータルリターンはプラス?マイナス?」でいきましょう。1月26日まで。
■今年のあなたの資産運用のトータルリターンはプラス?マイナス?(1月26日まで)■
http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=333
人気blogランキングへ(別ウィンドウ)
>>>間違いだらけの銀行えらび ~ 銀行.info<<<
思い立ったら、今すぐこの場で資料請求!
総合ランキング、口座サービスランキング、住宅ローンランキング1位
新生銀行
円預金、投資信託、セキュリティランキング1位
イーバンク銀行
ジャパンネット銀行
証券会社ランキング1位
イー・トレード証券
証券会社ランキング2位
マネックス証券