まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「<複数回答可>混乱・低迷する市場動向を受けて、日本の個人マネーはますます円預金に集中しているようですが、こんな金融商品なら買ってみたい?」では・・・
1位:円高歓迎ファンド/円高を背景に海外の株式や資産をとにかく買いまくる 38% 2位:個人向け東北復興債/利息の代わりに東北の産品や宿泊券 32% 〃:メガソーラーファンド/大規模太陽光発電所に投資 32% 4位:超長期国債/期間が20年や30年の国債(金利は2%程度) 26% 5位:高利回り社債ファンド/東京電力債など高利回り社債に投資 16% 〃:風力発電ファンド/風力発電所に投資 16% 7位:インフレ連動国債/元本が消費者物価指数に連動 10% 8位:ショートETF/株価や債券が下落すると利益 4% 〃:TPPファンド/大規模農業会社に投資 4% 〃:リニア新幹線ファンド/リニア新幹線に投資 4% 〃:その他 4%
ということになりました。複数回答可なので、投票シェアは投票者数シェアに計算しなおしております。
1位は意外に「円高歓迎ファンド」ですね。円高を背景に海外のものを何でも買いまくるファンドです。響きはなかなか豪快ですが、ただ実際には普通に、海外に投資する投資信託を購入すればほぼ同じ効果が得られますね。なのでこちらのファンドにご興味がある方は、既存の投資信託をご検討ください。
仮に以前の「村上ファンド」のように、ファンドマネージャーの顔が見え、さらに「豪腕」だったりすると人気が出るかもしれませんね。村上氏は投資対象が国内企業だったことが、失脚した要因の一つだったかもしれませんが、仮に投資対象が海外企業だったりすると、ヒーローというか、日本を代表する投資家になれたかもしれませんね。
「村上ファンド事件」の概要はほぼ忘れてしまいましたが(笑)。
そして2位はこちらも意外でしたが「個人向け東北復興債」となっています。利息の代わりに東北の産品や宿泊券がもらえるものですね。筆者自身はあまりピンと来ませんでしたが、もちろんどんな形であれ、東北にお金がグルグル回ることはいいことですね。
同率2位は「メガソーラーファンド」、4位は「超長期国債」となっています。
素人アイデアで恐縮ですが、こうして考えると出尽くし・ネタ切れの感がある金融商品ですが、がんばれば顧客のニーズに合う商品を作ることは不可能ではなさそうですね。 運用成績が期待できることはもちろん必要ですが、それ以外にも夢が感じられるというか、投資にワクワク感を感じられる商品をぜひ開発・販売していってほしいものですね。
では前回の読者アンケートについて、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。
〔投票〕http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=740
〔前回のコラム〕http://www.ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=563
さて今回は、個人マネーの動向について。
--- Ginkou ---
個人マネー、為替リスクを敬遠 円建て債券投信に資金流入 http://www.nikkei.com/
個人マネーが安全志向を強めている。9月は円建ての債券で運用する投資信託への資金流入額が前月の約5倍に急拡大。一方、ブラジル通貨レアルなどを組み込んだ投信の人気は低迷した。欧州の債務問題を背景として、円高が長期化している。外貨建て投信の運用成績も悪化しており、為替リスクのない運用商品が選ばれている。
円建て債券投信は、日本の国債や社債などに投資する「国内債型」と、為替予約を活用して実質的に円建てで外国債券を運用する「為替ヘッジ付き外債型」の2種類の投信を合算した。野村総合研究所によると、9月の円建て債券投信の資金流入額(新規購入から解約・償還を引いた額)は910億円。前月比4.8倍に膨らみ、昨年12月以来の高水準になった。
ヘッジ付き人気
外債の高利回りをある程度まで追求できる為替ヘッジ付き外債型には、前月比3倍の658億円が流入した。流入額は1998年12月以来、約13年ぶりの大きさだった。ロシアなど新興国の国債を円建てで運用する大和住銀投信投資顧問の商品に約110億円が流入。運用対象である債券の価格変動リスクは必ずしも小さくないが、少しでも高い利回りを求める個人の人気を集めた。
より価格変動リスクが小さい国内債型への資金流入額は252億円と2カ月ぶりの流入超になった。残存期間の異なる日本国債を組み入れる大和証券投資信託委託の商品は約140億円集めた。
欧米の債務問題が深刻化した今夏以降は1ドル=80円を超える「超円高」が定着した。ブラジルレアルやオーストラリアドルなど新興・資源国通貨も対円で急速に下落し、投信残高全体の約半分を占める外貨建て投信の運用成績も軒並み悪化している。「悪い市場環境が3~4カ月も続くなか、個人は多少リターン(期待収益率)を抑えてでも安全な運用をしようという傾向を強めている」(野村証券商品企画部)
レアルは流出超
一方、価格変動リスクの大きい資産で運用して高い運用益を確保してきた外貨建て投信は、成績悪化に伴い人気も離散している。ブラジルの株式や債券、通貨で運用するブラジル関連投信は9月に721億円の資金流出になった。流出超は5カ月ぶり。米国を中心に海外の不動産投資信託(REIT)を組み入れる投信は9月も資金流入超だったが、流入額は745億円と前月から58%減り、15カ月ぶりの低水準にとどまった。
ブラジルなど新興・資源国に対しては、中長期的な経済成長や高金利、通貨高に対する期待も根強い。ただ「世界のリスク資産の価格が回復するという決め手を欠くなか、明るい展望が開けるまで個人はリスクを取らないだろう」(大手運用会社)との見方が広まっている。
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
前回のコラムでも書きましたが、8月から世界の株式市場は大きく混乱していますね。日経平均も8,700円台という低水準ですから何ともはや・・・な状態であります。
懸案としてはギリシャなど南欧諸国の債務問題でして、今朝のニュースではギリシャの債務削減案がまた一歩進みそうとのことでしたが、株式市場は全く反応しておりませんね。まだまだこの問題は根深いということなのでしょう。
さらにこのギリシャ問題の悩ましいところは債務期限の来る3ヵ月毎に問題が再燃することですね。筆者は素人ですのでその先行きを正確に予測することはできませんが、今の株価動向を見る限り、回復には相当の時間がかかりそうですね。
日本のような「失われた10年」にならないことを祈りたいと思います。日本の場合は少子高齢化などの経済構造の変化も要因でしたけれどね。
そうした「嵐」のような投資環境の中で、上記記事では、個人マネーが安全志向を強めているとのことであります。そうでしょうね。今、不用意に投資したら「遭難」するのは間違いなさそうです。
ではその個人マネーがどう動いているかと言うと、最も大きいのは預金への滞留ですね。確か個人の預金額は史上最高値になっていたと思います。
日本はさらにデフレですからね。デフレとは、お金の価値が上がり、物の値段が下がることですから、そういう環境ではお金のまま持っておくのが一番いいですね。加えて預金にすれば、そこはかとなく利息までつきます。少なくとも今のようなデフレ&円高&株安の状況では預金が最もお得な運用方法の1つであるのは間違いないと思います。
それに加え、上記記事では以下2つの金融商品の人気があるということです。
・日本の国債や社債などに投資する「国内債型」投信 ・為替予約を活用して実質的に円建てで外国債券を運用する「為替ヘッジ付き外債型」投信
前者の「国内債型」投信は預金と比較すれば若干のリスクがありますが、その分、預金よりも利回りが少し高い場合もあり、「預金全盛期」の今、その代替商品としてそれなりに注目を浴びるのも理解できる気がします。
気になるのは後者の「為替ヘッジ付き外債型」投信ですね。「為替予約を活用して実質的に円建てで外国債券を運用する」ということです。なかなか難解な表現ですが、為替リスクを抑えた商品ということで良さそうです。
しかし為替リスクを完全に抑えて、さらに高金利ということがありえるでしょうか?筆者の理解ではそういうことは理論的にありえないはずです。リスクとリターンは比例していますので、リスクが少なければ当然、リターンも少なくなるはずです。
もし仮にリターンが相応にあるとすれば、為替リスク以外のリスクを何かとっているということでしょうね。
また、為替予約を活用するということは、当然、誰かに対して手数料を支払っているわけで、その分コストが高くなり、結果的にリターンが悪化するということになります。
基本的に複雑な仕組みの商品はアノ手コノ手で手数料が取られしまうので、やはりなるべくシンプルな商品の方がユーザーには好ましいですね。
というわけで具体的にヘッジ付き商品の成績をチェックしてみましょう。モーニングスター社のサイトで「ヘッジ」で検索すると以下のシリーズの「ヘッジあり」と「ヘッジなし」の商品が目に付きましたので成績を比較したいと思います。
■みずほUSハイイールド
A(ヘッジあり) B(ヘッジなし) ・1年 : 0.79% -7.43% ・3年(年率): 10.45% 0.43% ・5年(年率): 3.86% -2.95%
■フィデリティUSリート
A(ヘッジあり) B(ヘッジなし) ・1年 : 3.30% -5.82% ・3年(年率): 3.05% -7.78% ・5年(年率): -3.98% -11.24%
「ヘッジあり」タイプのリターンはかなりのものですね。上記の通りリスクとリターンが比例するという意味では、これはやはりアメリカのハイイールド=高利回り社債やREITのリスクを相応にとっているということなのでしょう。ということで「ヘッジあり」でもリスクに比例して相応のリターンを期待できるのかもしれません。
そして気になる、為替リスクに対して丸裸の「ヘッジあり」タイプと比べると・・・成績がかなり違いますね!ヘッジありタイプの圧勝であります。しかも数字は年率ですから、実際のリターン率の差はかなり大きいですね。
たとえばみずほUSハイイールドの場合、5年通算のリターン率は「ヘッジあり」の場合、19%近いリターン率があるのに対し、「ヘッジなし」の場合、マイナス15%のリターン率と完全に真逆になっています。
書いていて思いましたが、これだけ数字が対照的になるということは、もしかすると「為替予約」って予約した値より円高になると利益が出るのかもしれませんね?あんまり仕組みはよく分かりませんが、だとすると為替リスクがないというよりは、むしろ円安になった場合の為替リスクをとっていることになります。どうでしょう?
ちょっと今日は時間切れですので、また次回にでも調べてみたいと思います。分かるかな・・・。
ということで今回の読者アンケートでは、「個人マネーが安全志向を強めている中で、為替予約を活用して実質的に円建てで外国債券を運用する<為替ヘッジ付き外債型>投信が人気のようですが、この投信は魅力的?」でいきましょう。11月12日まで。
■個人マネーが安全志向を強めている中で、為替予約を活用して実質的に円建てで外国債券を運用する<為替ヘッジ付き外債型>投信が人気のようですが、この投信は魅力的?(11月12日まで) http://www.ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=742
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