Gikuri

ギクリのブログ。たまに自意識過剰。

「大人の事情」あるかないか

2012-06-16 | 走る若人が好き
全然駅伝シーズンじゃないですが、先日発表された箱根駅伝の
インカレポイント&学連選抜廃止について(次々回からかな)。

インカレポイントというのは、5月に開催される関東インカレという
陸上の大学対抗戦の成績や出場状況によって付けられるポイントで、
タイム換算されて箱根駅伝予選会の下位通過枠で適用されます。
陸上は長距離走だけでなく短距離、競歩、跳躍、投擲、混成があり、
長距離走以外の種目も強い大学の方がポイントが多くなります。
つまり他種目も頑張ってる大学にハンデをあげようという制度です。

まあ確かに「正月に高視聴率の箱根駅伝中継で大学名連呼してもらって
受験生に宣伝するためだけに駅伝チーム強化してんじゃないの?」と
思われかねない大学もありますので(爆)、下心見え見えの大学よりも
陸上競技全体の発展を支えている伝統校を優遇したいという考えは
理解できます。ただ、「聞こえのいい理念は表向きで、制度創設時に
ハンデがないと予選通過が苦しかった伝統校の声でできた制度なんじゃ
ないか?」という疑問もないわけではないですし、他種目が強くても
長距離が散々の大学がハンデで出場できても本番で見てられない結果と
なりますので(もっとも今年インカレポイントによって出場できた順大は
頑張ってシードを獲りましたが)、まあ廃止でいいのかなと。
伝統校は古くなったやり方に囚われず復活を目指して欲しいですね。

学連選抜は表向きは「役割を終えた」という理由で廃止のようですが、
本当にそうかな?と疑ってます。だって学連選抜を廃止したらもう1校
出られる大学が増えるんだもん(爆)。特に大学全入時代と言われる
最近は前述の「宣伝効果」で大学の経営陣からプレッシャーが掛かる
こともあると思うし、予選通過がギリギリの大学からしてみれば
1枠増えて出場の可能性が上がったら嬉しいでしょう。その辺の
大学からの要望で廃止したんじゃないか?と穿った見方も可能(爆)。

学連選抜はチームで出場する力のない大学の「隠れた逸材」を何人も
輩出していますが、そんな選手を箱根で見られなくなるのは残念ですね…。
「弱い大学も予選通過できるように必死に頑張って強くなればいいじゃん」と
言われるかもしれないけど、正直言ってお金がないので無理です。
今箱根に出ている大学は、有望な高校生達を学費免除でスカウトするなど
しています。スカウトでチームの強い弱いがほぼ決まる時代だからか、
スカウト合戦は年を追うごとに熾烈になってきているようです。
「宣伝効果」を見込んで、大学はお金を掛けて箱根のために強化しています。
しかし、特に国公立大学はお金がないのでそんなことできません。
少し過激な言い方をすれば、学連選抜廃止により「箱根は私立大学だけの
ものになって、国公立大学は排除された」とも言えるかもしれません。
むしろ通過当落線上の大学こそ「今の枠数でも予選通過できるように
あとちょっとだけ頑張って強くなればいいじゃん」と思うのですが…。

「隠れた逸材」を楽しみにしている側としては学連選抜廃止は残念ですし、
お金を持った大学だけに開かれた大会になってしまうのも寂しく感じます。
最悪オープン参加(チームとしての順位なし)で各区間の個人記録だけ
認定するのでもいいから、何らかの形で残って欲しいなと思います。
ただ、もし先程の「穿った見方」が正しければ一度得た枠を手放すとは
思えないので、復活を望む声が余程大きくならない限り厳しい気がします。
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