トラッシュボックス

日々の思いをたまに綴るブログ。

福本伸行『最強伝説黒沢』10巻、11巻(最終巻)(小学館、2006)

2006-12-02 18:55:45 | マンガ・アニメ・特撮
 以前にも書いた『最強伝説黒沢』の最終巻が発売されたので、早速買ってみた。
 当初10月末発売予定だったが、延期されて11月末となった。延期された分、何か書き下ろしでもあるかと期待したが、そのような様子はない(雑誌掲載時は見ていないので詳細はわからないが)。

 終盤に至るまで、最終回が迫っているとの感触はない。黒沢伝説の1エピソードという感じに過ぎない。
 最終2話に至って、まるで、突然編集者から「あと2回で終わらせてください」とでも言われたかのような急展開を見せる。
 といっても、何の根拠もない話で、もっと以前から、終わらせることは決まっていたのかもしれないが。

 最終話の蟻のエピソードは、おそらく以前から落としどころのひとつとして考えられていたものではないだろうか。この話に限らず、どの話で用いられても通用する話だ。打ち切り感はあるが、一応きれいにまとめたという感じだ。

 最近読んだマンガの中では、大変強く印象に残った作品だった。作者のこれまでの読者層の枠を超えて、その作品の魅力を知らしめることに貢献した良作だと思う。連載終了はやはり残念でならない。