日本民族・文化の生成 価格:¥ 36,750(税込) 発売日:1988-03-31 |
この本は、全2部からなり、第1部は元九州大学医学部解剖学教室教授の永井昌文[1924-2001]さんの退官記念論文集で、第2部は九州大学医学部解剖学第二講座所蔵古人骨資料集成という構成です。1988年に、九州大学医学部解剖学第二講座による編著で、六興出版から出版されました。
本書の内容は、以下のように、全2部からなります。
第1部.永井昌文教授退官記念論文集
Ⅰ.人類学部門
- 東海西部・近畿・瀬戸内の弥生時代人骨(池田次郎)
- 東日本の古墳・横穴墓出土人骨の顔面平坦度計測(山口 敏)
- 日本人における咬耗の時代差(埴原和郎・溝口優司・分部哲秋・山田 格・上田 博)
- 本州北端における縄文時代後期改葬甕棺内人骨について(森本岩太郎)
- インド・東南アジア諸族の生体学的特性について(欠田早苗)
- ポリネシアの人類誌:地域変異と時代変化(片山一道)
- 韓国礼安里遺跡出土の人工変形頭蓋(小片丘彦・金 鎭晶・吉田俊爾・峰 和治)
- 頭骨の形態小変異の出現型からみた土井ヶ浜弥生人(百々幸雄・石田 肇)
- 歯科疾患を変数とする古人骨群間の類似性の検討(井上直彦)
- 致命的な刀創痕ある中世末近世初頭の2頭蓋:熊本県阿蘇町内牧城跡出土(北條暉幸)
- スミソニアン研究所保管の日本人骨格にみられた骨病変について(鈴木隆雄)
- 日本人の足骨構造における小進化的変化(船越公威)
- 山口県吉母浜中世墓における異常な母子合葬例(那須哲夫)
- 古墳時代の抜歯風習(土肥直美・田中良之)
- 古人骨の性判定法(中橋孝博)
Ⅱ.考古学部門
- 帝釈峡遺跡群の埋葬(河瀬正利)
- 大分県駒方遺跡における石器群分布の構造:石器ブロックと個体別資料(橘 昌信)
- 縄文時代埋葬についてのひとつの考察:アジアの葬制と枌洞穴(賀川光夫)
- 天竜川流域の縄文時代中期後半の様相:土器を中心として(澤下孝信)
- 熊毛諸島の縄文文化(盛園尚孝)
- 嘉徳Ⅰ式A土器(高宮廣衛)
- 塞ノ神式土器再考(新東晃一)
- 面縄前庭式土器(中山清美)
- 二列埋葬墓の婚後居住規定(田中良之・土肥直美)
- 福岡平野における溝での祭祀(川村浩司)
- 縄文から弥生へ:水田耕作の開始か定着か(藤尾慎一郎)
- 日本石庖丁の源流:弧背弧刃系庖丁の展開(下條信行)
- 貝輪源流の文様論(橋口達也)
- 弥生時代の指輪:土井ヶ浜遺跡出土の貝製指輪をめぐって(乗安和二三)
- 南海産貝製腕輪はじまりへの予察(木下尚子)
- 南島の第一次埋納習俗(白木原和美)
- 青銅武器形祭器生成考序説(岩永省三)
- 北部九州における弥生時代未成人埋葬について(藤田 等)
- シャーマンと鏡(甲元眞之)
- 角抵源流考(森 貞次郎)
- タコ手釣り漁における漁撈文化の一側面(平川敬治)
- 熊本県田川内古墳1号出土の遺物及び人骨(三島 格・土肥直美・田中良之)
- 古墳被葬者の変化する一側面(佐田 茂)
- 春日市大字小倉所在赤井手古墳の追加資料(置田雅昭)
- 大隅国分寺と康治元年銘石層塔(小田富士雄)
- 沖縄学への視点:特に文化系統論をめぐって(国分直一)
- 中国古代稲作文化について(劉 茂源)
- 漢代買地券の検討(高倉洋彰)
- 天廻山3号崖墓出土金錯書刀をめぐって(潮見 浩)
- 朝鮮海峡の回転式離頭銛(渡辺 誠)
- 韓国慶尚北道義城地域出土陶質土器について(定森秀夫)
- 朝鮮半島の布留式系甕(武末純一)
Ⅲ.永井昌文教授略年譜・研究業績目録
第2部.九州大学医学部解剖学第二講座所蔵古人骨資料集成
Ⅰ.古人骨出土遺跡一覧表
Ⅱ.頭蓋骨
Ⅲ.四肢骨
Ⅳ.顔面平坦度
Ⅴ.頭蓋非計測的小変異
Ⅵ.歯牙
Ⅶ.文献リスト
本書の中でも、第2部には、九州大学医学部が長年収集してきた古人骨の計測値や観察表が掲載されており、貴重なデータが提供されています。