人類学のススメ

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歯科人類学の本1.歯と人類学の話

2009年12月10日 | I4.歯科人類学の本[Dental Anthropolog

歯と人類学の話 歯と人類学の話
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:1992-12

 この本は、故埴原和郎[1927-2004]先生が、歯の人類学について書いた本です。埴原先生は、以前、休刊中の科学雑誌「自然」にも同様のテーマの記事を書いておられます。また、本書にもふれられていますが、エリザベス・サンダース・ホームにて、日米の混血孤児の歯型を研究されており、研究に用いられた歯型は、現在東京大学総合研究博物館に所蔵されています。

 本書の内容は、以下のようになります。

序章.歯と人類学:研究上の利点

  • 歯の特異性
  • 歯と化石
  • 歯と動物の系統
  • 歯の形態の遺伝
  • 乳歯と永久歯
  • 萌出順序の変化

第1部.哺乳類の歯の進化

  • 爬虫類の歯と哺乳類の歯
  • 哺乳類の歯の進化

 霊長類の進化

  • 最古の霊長類:パーガトリウス
  • 狭鼻下目の出現
  • ヒト上科の出現
  • ヒト上科の進化
  • 鮮新世
  • 原人
  • 旧人
  • 新人

第2部.歯の人類学

  • エリザベス・サンダース・ホーム
  • 一般化した乳歯の形態
  • 白人・黒人のデータをとる
  • 生物統計学:研究の基礎として
  • 混血児の歯
  • 人種系統の研究
  • 歯による性別の推定
  • 縄文人の血縁関係

 本書は、歯の人類学の教科書というよりは、人類学的に歯を研究した事例を学ぶことができる本です。

Hanihara1992

埴原(1992)『歯と人類学の話』表紙(*画像をクリックすると、拡大します。)


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