『人類学雑誌』は、『人類学会報告』第1巻第1号が、明治19(1886)年2月10日に出版されて創刊されました。第1巻第1号から同第4号までは、『人類学会報告』という雑誌名でしたが、今号から雑誌名を『東京人類学会報告』に改名されています。また、今号から、裏表紙が追加されそこには英文表記が行われており、雑誌名は『The Bulletin of the Tokyo Anthropological Society』となっています。本号は、『東京人類学会報告』第1巻第5号として、明治19(1886)年6月25日に出版されました。編集出版人として、神田孝平の名前が記載されています。また、幹事として、坪井正五郎と神保小虎の名前が記載されています。
本号の内容は、以下の通りです。
記事[第20回]
談話
- 人骨研究(福家梅太郎)
- ギョクノ事(神保小虎)
- 雀宮近傍ノ古墳(菅原恒覧)
雑録
- 人身測定の成績:第一篇(箕作元八)
- 能登國蝦夷の岩屋:第二篇(坪井正五郎)
- 婚姻風俗集:第三
雑記
巻末には、88名の会員名簿が掲載されており、後に人類学教室で活躍する鳥居龍蔵[1870-1953]の名前が認められます。