人類学のススメ

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霊長類全般の本14.ゴリラとピグミーの森

2012年07月28日 | M1.霊長類の本:全般[Primates:Japane

Itani1961

ゴリラとピグミーの森 (岩波新書 青版 427)
価格:¥ 612(税込)
発売日:1961-08-30

 この本は、元京都大学の霊長類学者・伊谷純一郎[1926-2001]さんが、1960年に日本モンキーセンターによるアフリカ類人猿学術調査の第3次調査に派遣された時の様子をまとめたものです。1961年に、岩波新書青版427として、岩波書店から出版されました。

 本書の内容は、以下のように、全8章からなります。

  1. 人猿の国
  2. 動乱のコンゴをのぞく
  3. 入らずの森に入る
  4. ゴリラを追って
  5. 秘境アカゲジブイヨレレ
  6. 森の中の小さな猟人たち
  7. 森を出てサバンナへ
  8. タンガニイカの旅

 本書は、岩波新書としては異例で全322頁もあります。岩波書店が、伊谷純一郎さんを伊豆の旅館に缶詰にして書かせたという有名なエピソードが知られています。日本の霊長類学草創期の1960年の調査の事が詳細に記録されており、参考になります。この本は、1980年代までアフリカに駐在する商社マンや大使館員の必読書となっていたことが、伊谷純一郎さんの弟子の西田利貞[1941-2011]さんにより紹介されています。