外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

10月16日海外為替市場の総括と、本日10月19日東京市場午前の動き

2009-10-19 14:30:30 | ☆外国為替を読む

10月16日、外国為替市場アジア・欧州市場

15日の円安ドル安の流れを引き継いだ16日のアジア・欧州為替市場は、序盤まではその流れが継続しましたが、東京時間午後に入ると円安は一服する一方で、ユーロドルの下落が主導する形で、ドルは強含む展開となりました。

:上値が重いとされていたドル円相場の90円台ですが、午前中には91円にせまる上昇を見せ、欧州時間に入るとさらに91.30水準まで上昇して米国時間を迎えました。
前日の海外株式市場が上昇したことで東京株式市場も底堅く推移したことや、90円台中盤を維持して東京市場に戻ってきたことで、円売りに安心感が出たことなどが、円安の支援材料だったようです。

€:ドル安、円安の地合を受けたユーロドル相場は前日高値を僅かに更新する1.4965水準を付けましたが、その後は反転下落。欧州時間までに1.48台後半へと下落し、その後暫く揉み合った後、米国市場までに1.4850水準まで下落しました。

£:これまで売られすぎていた観のあるポンドドル相場は、某米系証券の買い推奨レポートなどを背景とした買い意欲が強く、1.62ドル後半で始まると上昇を継続し、午前中には早々と1.6400に迫る上昇となりました。しかし、ユーロドルが下落するにつれて上値が重くなると、欧州時間では1.6250水準まで下落。その後はそれまでの高値安値の間で上下する荒い展開でした。

ポンドやユーロが乱高下した根拠について、ユーロポンド相場が調整下落を継続しており、ドルとは直接関係のないポンド買い、ユーロ売りが波乱要因になっています。ただ、その背景には政府筋の発言などが材料となっていた観があります。例えば、ECB筋からは金融緩和策の早期解除が示唆された結果、株式市場が軟調となってユーロ売りを誘い、一方、BOE筋からはポンド安を歓迎する発言がポンド上昇を阻んでいる状況に見えます。


10月16日、外国為替米国市場

次に、米国市場の動きですが、欧州時間で発生したドル買いで上昇した相場は、序盤の経済指標発表がなかったことで、ドルの高値圏を維持したまま揉み合う展開でした。その後発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が、悪化する内容になると、円買いが先行し、ドル円相場は91円台から90.60水準へと下落。ユーロドルが1.49台に乗せ返すなどドル売りが優勢となる展開でしたが、その後は週末の調整が主流となり揉み合いながら先週を終わりました。ポンドドルは依然として買い意欲は衰えず、ポンドの高値圏での引けとなりました。

そのほか、気になる金相場は概ね横ばいで引け、株式市場はミシガン指数の悪化が影響して前日比で小幅下落して終了。債券相場は市場の弱気が上回って上昇した結果、利回りは下落して引けています。終盤でのドル売りは、こうした利回りの低下がドル売りを支援していた見方もできそうです。


本日10月19日午前の東京外国為替市場

先週末の終値から比べてドル高方向へ、ややギャップを開けるように始まった本日の東京市場は、早朝にはクロス円主導とみられる円売りが先行し、ポンドドルやユーロドル相場はギャップを埋めるように上昇相場となりました。

しかし、本格的な取引時間になると、ドル高ギャップを証明するようにドルの買戻しが強まり、ユーロドル相場は、15日、16日の下値を割り込むと、一時1.4815水準まで下落。ポンドドル相場も連れ安となり、1.63台を割り込みましたが、その後は調整気味に緩やかなドル売り基調となっています。

今日は欧州市場にかけて主な経済指標発表等はありません。相場はこれまでの中期的トレンドを調整する動きが中心となっており、これまでのような統一したテーマに関係なく、ただテクニカル的な要因によって相場が乱高下するリスクには注意しましょう。