外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

10月5日、外国為替テクニカル分析-ユーロドル相場、G7は本質の流れが嫌気とすれば

2009-10-05 19:40:13 | ☆相場分析-ユーロドル

先週末の雇用統計発表以降の、円高ドル高からの反転は、少し意外な動きでした。
ドル円で言えば、積みあがったドルのショートポジションが一気に吐き出された観は否めませんが、その背景が微妙です。

23時発表の新規受注が下落したにもかかわらず、リスクを回避するドル買い・円買い相場は一瞬にして姿を消しました。

テクニカル的には、中途半端な切返しではありますが、連続した悪材料でも新たな売り手が支援してこなかったことで、これ以上の下落は困難との判断を下した短期筋が、買戻しを決断したとの推測は可能です。また、一部には日銀からマーケットにレートチェックが入ったという噂があったとの情報もあり、それがキッカケだった可能性はありそうです。

日銀が介入する前には、取引水準を確認するために、必ずレートを照会する慣例があり、いよいよ相場が警戒域に近いとする憶測を呼んだものと思われます。

いずれにしても、ユーロドルやポンドドルなどの対ドルストレートまでが上昇しており、ドル安懸念からの変動としては辻褄が合いません。したがって、これらの上昇は、対円でのクロス買戻しが主原因との推測は可能です。

さて、ドル安懸念から逆行するように、ドル安ユーロ高に向かおうとしているユーロドル相場ですが、

本年4月の安値圏は1.2880水準だったことを考えると、半年で1.4840まで上昇しており、安値を100とすると、15%強の上昇率で、1960ポイントの上昇です。従ってもし、急激な動きを懸念材料にするなら1.4800から1.4500水準への下落というより、長期トレンドを指すように聞こえてきます。ただ、ユーロは対豪ドルやNZドル相場では下落しており、これらのユーロ安相場が行き過ぎとした場合は一時的にユーロ買いへ傾斜するリスク要因が考えられます。

短期的に28日から幾度となる戻り高値圏となった1.4670水準を前に、上昇を躊躇しているように見え、一目均衡表でも、1.4660水準に転換線が差し掛かっています。

万が一相場が高値を突っ掛けてくるようなら、1.4670水準をレジスタンスにユーロ売りドル買い。
月末前の26日から28日にかけての上値圏となる1.4725水準を超えてくるようなら、一旦はストップというイメージです。
10月2日前後に下値試しでもみ合った1.45台前半を当面の目標としても、PL比は3:1と、悪くありません。

この下値水準から再度上方へ切り返すようなら、1.4500~1.4700のレンジ相場を想定します。1.44台へ躊躇無く突入し、1.44台で日足終値を迎えるようなら、G7の意向に沿った急激なドル安を調整してくる流れを想定せざるを得ないでしょう。

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10月02日海外為替市場の総括と、本日10月05日東京市場午前の動き

2009-10-05 14:25:51 | ☆外国為替を読む

10月2日、外国為替 アジア・欧州市場

G7に向けた準備として、ユーロ高について協議をする旨の発言がユーロ圏高官より発せられた影響で、ユーロは対円を中心に上値が重い展開を継続。一時ユーロ円は9月28日の下値を更新する129.65水準まで下げる展開がありました。

週末のG7を前に、基本的には積極的な取引が控えられていたことは想定の範囲でしたが、株式市場は大きく下落するなど、リスクを回避したい円買いが先行していた観があります。

そんな中で迎えた欧州市場では、英国経済指標がさえない内容となってポンドが下落気味に推移する中、ユーロ圏の経済指標が改善されたことで、ユーロが一時的に買い戻される局面もありました。
しかし、このところ中期的に下落トレンドを継続しているユーロドル相場は終始、上値が重く、米国市場を迎えるまではもみ合う展開となりました。


10月2日、外国為替 米国市場

米国時間に入って、注目されていた雇用統計の結果が発表されましたが、予想および前回を上回る数のNFP(非農業分門雇用者数)が減少しており、リスク回避を示す、ドル買い円買いが急伸。その後発表された製造業新規受注も、前月比のプラス圏からマイナス圏へと、予想を上回る落ち込みを見せたことから、リスクを回避する動きを伸ばす展開でした。

しかしその後、相場は一転して円売り、ドル売りが急伸し、前日の終値水準へと戻す展開になり、こうした乱高下の後、結局相場はドルや円の安値圏で週末を終わりました。反転理由は不透明ではありますが、米国指標がかなり悪化したにも関わらず、先月28日の下値を更新できない通貨ペアが多く、売り圧力が弱まると、週末のG7を控えたポジション調整が、まとまって持ち込まれたとの推測ができます。また、一部には中央銀行によるレート確認があったとの噂もあり、もしかするとその噂が切欠となって反転相場を招いた可能性があります。


本日10月05日午前の東京外国為替市場

G7明けとなった今日の東京市場ですが、早朝のオセアニア市場では円安相場と円高相場が一巡し、既に上値・下値が確認されていたこともあり、乱高下する展開にはなっていません。ただ、どちらかといえば、これまでの中期トレンドとは逆行する動きを先行させており、僅かに円安・ドル安へのバイアスが確認されています。

G7では、行過ぎた為替変動には強調して対処する旨の声明がありましたが、ドル安や、ユーロ高、円高など特定の為替相場に対する言及はありませんでした。
裏を返せば、円高やポンド安は別として、対ユーロの中長期的なドル安トレンドを急激に伸ばさない限り、逆のユーロ安相場は、G7の意向に沿う相場変動となる可能性があります。

今後発表される欧州経済指標が悪化した場合の欧州売りに対しては、比較的許容される対応も想定できます。