先週末の雇用統計発表以降の、円高ドル高からの反転は、少し意外な動きでした。
ドル円で言えば、積みあがったドルのショートポジションが一気に吐き出された観は否めませんが、その背景が微妙です。
23時発表の新規受注が下落したにもかかわらず、リスクを回避するドル買い・円買い相場は一瞬にして姿を消しました。
テクニカル的には、中途半端な切返しではありますが、連続した悪材料でも新たな売り手が支援してこなかったことで、これ以上の下落は困難との判断を下した短期筋が、買戻しを決断したとの推測は可能です。また、一部には日銀からマーケットにレートチェックが入ったという噂があったとの情報もあり、それがキッカケだった可能性はありそうです。
日銀が介入する前には、取引水準を確認するために、必ずレートを照会する慣例があり、いよいよ相場が警戒域に近いとする憶測を呼んだものと思われます。
いずれにしても、ユーロドルやポンドドルなどの対ドルストレートまでが上昇しており、ドル安懸念からの変動としては辻褄が合いません。したがって、これらの上昇は、対円でのクロス買戻しが主原因との推測は可能です。
さて、ドル安懸念から逆行するように、ドル安ユーロ高に向かおうとしているユーロドル相場ですが、
本年4月の安値圏は1.2880水準だったことを考えると、半年で1.4840まで上昇しており、安値を100とすると、15%強の上昇率で、1960ポイントの上昇です。従ってもし、急激な動きを懸念材料にするなら1.4800から1.4500水準への下落というより、長期トレンドを指すように聞こえてきます。ただ、ユーロは対豪ドルやNZドル相場では下落しており、これらのユーロ安相場が行き過ぎとした場合は一時的にユーロ買いへ傾斜するリスク要因が考えられます。
短期的に28日から幾度となる戻り高値圏となった1.4670水準を前に、上昇を躊躇しているように見え、一目均衡表でも、1.4660水準に転換線が差し掛かっています。
万が一相場が高値を突っ掛けてくるようなら、1.4670水準をレジスタンスにユーロ売りドル買い。
月末前の26日から28日にかけての上値圏となる1.4725水準を超えてくるようなら、一旦はストップというイメージです。
10月2日前後に下値試しでもみ合った1.45台前半を当面の目標としても、PL比は3:1と、悪くありません。
この下値水準から再度上方へ切り返すようなら、1.4500~1.4700のレンジ相場を想定します。1.44台へ躊躇無く突入し、1.44台で日足終値を迎えるようなら、G7の意向に沿った急激なドル安を調整してくる流れを想定せざるを得ないでしょう。
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