10月5日アジア・欧州為替市場
週末行われたG7声明の解釈が分かれるなど、方向感が定まらない中、先週末の米国雇用統計以降の相場がドル、円共に安値圏での推移となり、そのまま引けたことから、早朝のアジア市場は、調整気味にドル買い、円買いで始まりました。しかし、その後の市場は概ね円売りで一致したように、終始対円相場の下値が切り上がる展開でした。
週末の時点でドル売りに対してやや出遅れ気味だったポンドは、快調に下値を切り上げ、週末高値を上回って1.60台へ入り込むと、相場全体のドル売り円売りを牽引していた印象です。
ただ、ドル円の90円台、ポンドドルの1.60台、ユーロドルの週末高値となる1.4650水準では上値が重たい展開となり、もみ合う中で欧州時間を迎えました。
欧州市場序盤では、一時各通貨ペアの高値更新を試す展開を見せましたが、上値は重く、ドル円相場が90円台を前に揉み合いを継続する中、その他の対ドル相場は穏やかにドルが買い戻される展開となりました。発表された欧州の経済指標は概ね横ばいという内容に、反応は限定的でした。
10月5日、米国為替市場
米国時間に入って、暫くは主だった経済指標の発表も無く、基本的には揉み合う展開でしたが、唯一の指標となったISM指数の発表前には、ドル円相場が90円台をあきらめたように崩れると、ユーロ円を伴いながら、週末高値圏を割り込みました。
その後ISM指数が発表され、改善された内容となると、ユーロドルを中心に、ドル売りが先行。そのまま高値を更新して引けを迎えましたが、ドル円は円安に展開せず、ポンドドルは横ばいを継続するなど、全体にまとまりの無い引けとなっています。
株式市場は週末比で上昇して引け、債券市場も一部に売りが出て利回りは上がるなど、投資ムードの改善が見られましたが、リスクに対して守りに入った資金は、一部その手を緩めた観はありますが、まだまだ様子を伺う流れが主流という印象です。
本日10月06日午前の東京外国為替市場
昨日の為替市場は、結局、往来相場に終わった結果、ご覧の通り概ねどの通貨も揉み合い相場となっています。ただ、英国の新聞紙面で、原油取引の決済通貨からドルがはずされる旨の報道があり、さほど急激ではないものの、ユーロ、円共に買われる動きを見せています。
今後の欧州市場では、原油決済通貨に関する報道に対し、欧州参加者がどう対応してくるのか、注目してみましょう。