こんにちは、
今週のIMM取組残高分析は、都合により動画版をお休みします。その代りに、動画版でいつもお届けしているグラフの解説なども付け加えた活字版の特集を、パート別にお届けしようと思います。
さて、今週使用するデータは、2月04日のIMM市場が終了した時点のものです。
先月末は新興国懸念が再燃しましたが、新興諸国は通貨防衛のために大幅な利上げに踏み切るなどで対抗し、どうにか下値を維持しつつも102円を中心に乱高下する展開でした。
そんな中で、FOMCは資産買入れ額の縮小を断行したことで、懸念を煽る形となり、週明けはとうとう100円台へ突入したところでデータが締め切られています。
円売りが相当取り崩されたことは予想できますが、果たして結果はどうだったのか、投機筋のポジションを表すとされる、非実需のデータを見て参ります。
<ドル円の相場推移と対円におけるドルのネットポジション変化>
まず最初にいつもご覧頂いているのが、「ドル円の相場推移」と「対円におけるドルのネットポジション変化」のグラフで、表示期間は概ね過去3年間の推移です。
ドル円相場のドルの動きに合わせて見やすくするために、棒グラフが表すネットポジションはドルベースで表示されています。ドル円相場の動きに合わせて、ドルのポジションが増減しているのは、皆さんも同意していただけると思います。
つまり、幾ら為替市場のほんの一部であるIMM市場でも、参加者はかなりのプロ集団であることから、IMMデータの変化と、市場全体の動きそのものである相場変動とは相関性があり、データの有用性は認識できると思います。
従って、相場が動かない中で残高に動きがある場合や、相場変動の割に残高に動きが無い場合は、相場を少し疑ってみる価値はあります。
一方、残高と相場水準は必ずしも整合性は無く、例えばドルの買い越しが10万コントラクトの時、相場は100円前後で一致するとは限りません。ただ、今回、10万コントラクトを割り込んだIMM残高は、昨年中旬以降の大きな揉み合い期間程度まで残高が既に減少しており、この期間の最小残高と相場水準等とを比較しながら、今後底値確認ができれば、再びドル高に推移する可能性は充分残っています。
このように、ここではドル円の相場推移とIMM残高に矛盾が無いかどうかをザックリと確認するのが主旨となっています。
問題として全般的に言えるのは、データと発表タイミングの時差であり、現在の相場に応用するためには、締切以降の相場変動を織りこむ必要があることです。
またこのグラフはあくまでネットであるため、単純に10万コントラクトの買い越しといっても、買い越しが102Kで売り越しが2Kなのか、買い越しが150Kで売り越しが50Kなのかで、大きく意味合いが異なってきます。
これらをなるべく補足するために、以降のグラフが意味を成してきます。(続)
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