千畳敷駅で
駒ケ岳ロープウェイを降りて
ほとんどの人が木曽駒ケ岳への
ルートである八丁坂に向います。
人気の山は14年前と同じ
長い人の行列が八丁坂にありました。
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空木岳へは山に向かって左側の
極楽平に続く名もなき坂に
取り付きます。
進むにつれて、人の気配が減り
静かな山が迎えてくれます。
紅葉も見ごろで
バスを待った疲れを忘れます。
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振り返ると千畳敷カールは
紅葉のピークではありませんが
秋らしい賑わいがあります。
人々は小さくなり
風景の一部になっていました。
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大きな白い石を敷き詰めた道は
歩きやすく整備されていて
30分で極楽平(標高2827m)に
導かれました。
空木岳の標高は2864mですから
ほぼ同じ高度に達したことになります。
ガイドブックで難易度が4に
なっていた理由はこの後
自分の目や手足で確かめることに
なります。
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極楽平は名前の通り
平らで平穏な場所です。
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西には、御嶽山。
近くから見下ろす裾野の広さは
独立峰としての美しさが
一番引き立つものです。
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北は、宝剣岳に向かう道。
この道は空木岳方面よりも更に
難易度が高いようです。
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東には、シルエットの南アルプス。
真ん中より少し右に
富士山も頭を出していました。
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南には、空木岳に向かう
なだらかな登山道。
天気予報は下り坂ですが
幸運にも360度の視界が確保され
ありがたい山旅が始まりました。
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島田娘ノ頭に向かうと
空木岳への縦走路の全貌が
見えてきます。
平らで真っすぐではないと
覚悟していましたが
遠くから見れば
岩が美しい自然な造形に
うっとりします。
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空木岳の左(東側)の長い尾根が
高低差2000m、移動距離10㎞の
池山尾根でしょう。
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極楽平から平坦な道を
30分ほどで、島田娘ノ頭に
着きました。
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豪快な岩石群の奥に
空木岳が見え、これだけで
来てよかったと思える
今年1番の写真が撮れました。
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深田久弥さんの
日本百名山より
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私たちは木曽殿越の鞍部へ向って急坂を下った。
それから先の行程は、鞍部から更に山稜を北へ登り、
二千七百米級の峰を幾つも上ったり下ったりして、
宝剣岳を超え、駒ケ岳本峰へ達した。本峰に立って振り返ると
経てきた長い山稜がうねうねと遠くまで続いていた。
その中に一きわ高く、空木岳と南駒ケ岳の二つが睦まじそうに
並んで立っているのを見逃しはしなかった。
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島田娘ノ頭を過ぎると、道は
鞍部へと下っていきます。
写真は濁沢大峰の上りから
振り返って撮ったものです。
左に見えるのは
木曽駒ケ岳かと思い調べると
700m西にある木曽前岳でした。
下る途中で2組を追い越しました。
1組は檜尾岳から檜尾根で
下山するそうです。
日帰りで中央アルプスを楽しめる
気軽なルートを教えてもらいました。
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鞍部から上り返す濁沢大峰は
三角のおにぎりの上に
たくさんの岩があり
白ゴマのふりかけに見えました。
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山頂に近づくにつれ
白ゴマが大きくなり
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極楽平から1:10で
大きな岩が積み重なった
濁沢大峰山頂に到着です。
ここで5名のグループを
追い越し、この後は
前も後ろも離れてしまい
自由だが、心細い道中になりました。
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つづく