山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

極楽平⇒濁沢大峰☆空木岳@日本百名山№61

2022-10-28 | 61空木岳(秋)
千畳敷駅で
駒ケ岳ロープウェイを降りて
ほとんどの人が木曽駒ケ岳への
ルートである八丁坂に向います。
人気の山は14年前と同じ
長い人の行列が八丁坂にありました。
空木岳へは山に向かって左側の
極楽平に続く名もなき坂に
取り付きます。

進むにつれて、人の気配が減り
静かな山が迎えてくれます。

紅葉も見ごろで
バスを待った疲れを忘れます。
振り返ると千畳敷カールは
紅葉のピークではありませんが
秋らしい賑わいがあります。

人々は小さくなり
風景の一部になっていました。

大きな白い石を敷き詰めた道は
歩きやすく整備されていて
30分で極楽平(標高2827m)に
導かれました。

空木岳の標高は2864mですから
ほぼ同じ高度に達したことになります。
ガイドブックで難易度が4に
なっていた理由はこの後
自分の目や手足で確かめることに
なります。
極楽平は名前の通り
平らで平穏な場所です。
西には、御嶽山。

近くから見下ろす裾野の広さは
独立峰としての美しさが
一番引き立つものです。

北は、宝剣岳に向かう道。

この道は空木岳方面よりも更に
難易度が高いようです。
東には、シルエットの南アルプス。

真ん中より少し右に
富士山も頭を出していました。
南には、空木岳に向かう
なだらかな登山道。

天気予報は下り坂ですが
幸運にも360度の視界が確保され
ありがたい山旅が始まりました。
島田娘ノ頭に向かうと
空木岳への縦走路の全貌が
見えてきます。

平らで真っすぐではないと
覚悟していましたが
遠くから見れば
岩が美しい自然な造形に
うっとりします。
空木岳の左(東側)の長い尾根が
高低差2000m、移動距離10㎞の
池山尾根でしょう。

極楽平から平坦な道を
30分ほどで、島田娘ノ頭に
着きました。
豪快な岩石群の奥に

空木岳が見え、これだけで
来てよかったと思える
今年1番の写真が撮れました。

深田久弥さんの
日本百名山より
私たちは木曽殿越の鞍部へ向って急坂を下った。
それから先の行程は、鞍部から更に山稜を北へ登り、
二千七百米級の峰を幾つも上ったり下ったりして、
宝剣岳を超え、駒ケ岳本峰へ達した。本峰に立って振り返ると
経てきた長い山稜がうねうねと遠くまで続いていた。
その中に一きわ高く、空木岳と南駒ケ岳の二つが睦まじそうに
並んで立っているのを見逃しはしなかった。

島田娘ノ頭を過ぎると、道は
鞍部へと下っていきます。

写真は濁沢大峰の上りから
振り返って撮ったものです。
左に見えるのは
木曽駒ケ岳かと思い調べると
700m西にある木曽前岳でした。
下る途中で2組を追い越しました。
1組は檜尾岳から檜尾根で
下山するそうです。
日帰りで中央アルプスを楽しめる
気軽なルートを教えてもらいました。
鞍部から上り返す濁沢大峰は
三角のおにぎりの上に
たくさんの岩があり
白ゴマのふりかけに見えました。

山頂に近づくにつれ
白ゴマが大きくなり

極楽平から1:10で
大きな岩が積み重なった
濁沢大峰山頂に到着です。

ここで5名のグループを
追い越し、この後は
前も後ろも離れてしまい
自由だが、心細い道中になりました。
つづく