山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

鹿島槍南峰⇒吊尾根⇒雷鳥の子育て☆鹿島槍ヶ岳@日本百名山№59

2022-09-03 | 59鹿島槍ヶ岳(夏)
鹿島槍ヶ岳南峰から
八峰キレット経由五竜岳の
縦走路が見えています。

吊尾根は近くで見ると
随分下っていて
疲れた体は行くなと言っています。
写真の左奥には白馬岳が見えています。

直線距離で15km。
V字の鞍部には
キレット小屋の赤い屋根も見えます。

南峰との標高差420m。
冷池山荘から鹿島槍ヶ岳南峰まで
ほぼ同じペースで歩いた人は
五竜岳まで縦走するのだそうです。
南峰で休んでいるときに
励ましの言葉に背中を押され
行けるところまで
行ってみることにしました。
縦走路を見下ろす場所に
遭難救助隊のメンバーの方が
吊尾根に下りて行く一人ひとりに
「以前に、滑落事故があったので
気を付けてください」と
声掛けされていて
気持ちが引き締まりました。
急な岩場の道を下ります。
最初は足場も手がかりもあり
迷うことはありませんでした。

下りきる手前に
傾いた状態の平たい岩の上を下る場所があり

通りかかった人に聞いたルートを
慎重に進みました。
その後も
尖った岩を左や右に巻いて進みます。


足元に草は生えていますが
背が低く、踏み外せば
どこまでも滑り落ちて行きそうでした。

吊尾根は
あいにくのガスが広がり始め
北峰も南峰も雲に隠れました。

赤いザックの人がいる辺りまで進み
腰を下ろして様子を見ていましたが
雲が引きそうにないので
戻ることにしました。
戻り道で急坂の下まで来たら
皮肉にも、南峰が姿を現しました。

たぶん、吊尾根に雲がかかったため
視界がなくなったけれど
南峰には雲がかかっていなかった
のだと思います。
南峰に戻ると
雲は稜線を超えて
後立山の縦走路はガスの中です。

途中まででしたが
吊尾根に挑戦して得たものは
久しぶりの花が2種類でした。
ミヤマクワガタ

本州に広く分布
高山の礫地や草原に生える
タカネヤハズハハコ

本州中部から北海道に分布
高山の礫地や草原に生える
剣岳にも雲が上がり始めて

お昼を過ぎたので
冷池山荘への帰路につきました。
布引岳に向かう道で
前方に動くものを発見し
立ち止まって、よく見ると
雷鳥の親子です。

道幅の広いところの左端に親鳥

近くに子供が3羽くらい見えました。

そのうちの1羽が親鳥のそばを離れず
私が立ち止まって動かないのに
安心したのか
親子で砂かけをして
遊んでいました。
邪魔をしないように
別れを告げて先に進むと
その10分後、登山道にまた
雷鳥の子供が2羽
よとよちと歩いていました。


今度は、親鳥は見えませんが
近くのハイマツの中から
鳴き声が聞こえ
子供はそちらへ向って
消えて行きました。

雷鳥の親子に出会ったのは
初めてです。しかも
2組も会えるなんて最高です。
その後は
足取りも軽く
冷池山荘に到着し、
その日の予定は終了しました。

翌日も、早朝は晴れていましたが
前日の快晴と比べると
少し霞んでいて
写真は殆ど撮らず
日の出とともに移ろう朝の
山の色を楽しみながら
下山しました。
この旅の歩数
1日目:14500歩
2日目:24234歩
3日目:19708歩
バランスの取れた行程でした。
爺ヶ岳登山口⇒種池山荘⇒冷池山荘⇒鹿島槍ヶ岳南峰
3:00  ⇒ 2:30 ⇒ 2:00
鹿島槍ヶ岳南峰⇒冷池山荘⇒種池山荘⇒爺が岳登山口
1:30  ⇒ 1:40 ⇒ 2:20
上り合計:7:30
下り合計:5:30
頑張れば、
上りの冷池山荘に1泊して
延べ2日のコースで行けそうです。
ただ
今回は2泊3日にしたので
2日目の晴天を
たっぷり楽しめたことは
余裕を持った日程の
恩恵と言えそうです。
稜線のお花畑に
続く