山と道・野の花のこと

揺れずに咲く花がどこにあるだろうか
この世のどんなに美しい花も揺れながら咲くのだ
<ト・ジョンファン>

コルから山頂まで+α@皇海山 日本百名山№27

2013-09-20 | 27皇海山(夏)
深田久弥さんの
日本百名山より
頂上は木立に囲まれた静寂な小平地で見晴らしは利かない。
しかし、庚申から皇海まで至る途中で、快晴に恵まれた
私たちは素晴らしい山の展望を得た。私たちの足はそのため
しばしば楽しい停止にゆだねられた。
不動沢を登り
コルといわれる鞍部は
さほど広くはないけれど
平らな地面があることで安心して
休めます。
ガスがなければ
林の低い前方には
鋸山方面が見えるはずですが
この日は白いベールに包まれています。
深田久弥さんも通った本来の登山道を
北に向かい皇海山を目指します。

稜線にも関わらず深い林で
地面は笹が、
岩はコケが、
覆っています。

かすかに山の形が見えた林の切れ目も
わずかな間で
深田久弥さんのいう
原始的自然美を保っている山域という
舞台の中であり
鋸山周辺から見た皇海山が
颯爽と峰頭をもたげと表現される
急登が続きます。
大きな岩が扉を閉めているように
立ちはだかると

*

その先には
苔むした庭園の中に
木村惟一さん奉納の青銅の剣が立ち
庚申二柱大神と記されて
この深い森に包まれた山が
信仰の山であることが再認識されます。
皇海山の山頂は
この剣のすぐ先になります。
コルから35分かかりました。
木立に囲まれ見通しはききません。

ましてや
ガスで覆われていました。

静まり返る山頂を後に
コルまで30分で戻り

天候の回復を期待しましたが
相変わらずガスっています。
鋸山から皇海山を眺めたいのですが
期待できません。
楽に行けるとこまで行って
引き返すことにしました。

コルから鋸山への道は
さらに登山者が少ないようで
道が見えないほどに
藪がはびこっていました。

10分ほどして少し下るところまでで
引き返します。
どのみちガスで
皇海山を見ることはできないでしょう。
コルから1時間半
ゆっくりと写真を撮りながら
登山口に戻りました。
カラマツ林・苔・沢
今まで登った山とは違う魅力のある
名山でした。
この日の歩数
12,178歩
end

清流・苔岩を愛でる不動沢@皇海山 日本百名山№27

2013-09-20 | 27皇海山(夏)
皇海山の登山ルートである
不動沢は豊かな水がつくる
自然が魅力です。
水の流れ
流れる水をどのように撮るか
いまだに
自分なりの方法が定まりませんが
撮った写真を見ながら
次はこうしてみようなどと反省したり
比較的うまく表現できたと満足したり
帰った後の楽しみになっています。
 
流れの速さを表現するため
シャッタースピードを遅くして
1枚の中に
長い時間を閉じ込める
一般的な方法ですが。
 
山登りのついでと思えば
それなりの写真になっているでしょうか。
大きな岩に窪みがあり
水が
その岩の上を反時計回りに回転しながら
流れています。
 
しばらく眺めていました。
見ていると面白く
動画なら楽しめるのでしょうが
静止画で表現する方法が
見つかりません。

登山口に近いところは
水辺を離れても
樹木が水を蓄えているためか
岩の表面はびっしりと
苔で覆われています。
 
もっと倒木が多ければ
もののけの姫の森といってもいい
苔の緑の美しさです。
 
岩の上に種を落とし
芽を出した木が何とか根を張って
ここまで大きくなるのは
幸運に恵まれたのか、優しい環境なのか
じっと見つめてしまいました。
花は
季節を外れているせいか
珍しいものはありませんでした。
その中でも
川の近くで可憐に咲いている
小さなトリカブトの青が眼に入りました。

環境がよいのか
色がとても濃いので
見逃さずに
足を止めることができました。
 
調査中

マメ科ような花の形ですが
葉の形が変わっています。
季節によってどう変わるのか
写真を目的に
来てもいいような風景がありますが
もう一度来るとなると
林道がもう少し整備されることを
望みます。
次回
皇海山の山頂まで
つづく

美林の続く不動沢をコルまで@皇海山 日本百名山№27

2013-09-20 | 27皇海山(夏)
深田久弥さんが
日本百名山を選んだ頃
皇海山への日帰りルートができるとは
思いもしなかったでしょう。

日本百名山より
私たちの行ったのは五月連休の晴天だったにも拘らず
登山者は他に誰もいなかった。
それはこの山の奥深いことによるのだろう。
まず庚申山に登り、それから十ほど小さなピークを超えて
鋸山に達する。ピークに一々名前のついているのは
信仰登山の名残である。鋸から一たん深く鞍部へ下って
それから皇海の頂上まで一途の登りになる。

不動沢登山口からほんの少し
車が通れるような道で始まります。

その道を数回曲がると
ふかふかの地面と
バス停のような看板を従え
みごとな国有林が向かえてくれます。

ふかふかなのは
カラマツの落ち葉が
敷きつめられているからです。

水音も聞こえ
ハイキングに来たようですが
水音の正体である川は
渡らなければなりません。
今日は水が多いのか少ないのか
なんとか濡れずに渡れました。

*

その後も
川に沿って歩きますから
沢登りをしているような
真夏なら爽やかな山登りです。
 
この日は涼しく虫もいないので
長い林道を来てよかったと
すぐに思いました。
登山道はピンクテープの通りに
進めば迷うことはありません。
川を何回か渡りますが
最初の渡渉ほどの水量はありませんから
楽々です。

登山口から50分かかって
登山口と山頂のどちらからも1.8km地点
に着ました。

だんだん傾斜がきつくなるのは
山登りでよくあることです。
距離で時間を推測することはできません。
水の流れが消えると
予想通りの急登になりました。
そして
樹木がカラマツから
ブナなどの広葉樹に変わります。
変わらないのは
地面が笹に覆われているところが
多いことです。

ロープに助けられて
笹の中にある一筋の道を行けば

不動沢のコルに到着です。
ここまで1時間半。

コルの先に鋸山が見えるはず
ガスっています。

登ってきた道を振り返るが
密集した林しか見えません。

展望はないけれど
美林と苔むした岩と
水の流れが
疲れを癒してくれます。
美林のベストショット

もうすぐ始まる紅葉の季節に来れば
黄金の国ジパングそのままの
まばゆい黄色を眼にすることでしょう。
回を改めて
この道筋で気に入った写真を
いくつか紹介します。
つづく